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契約書の電子化とは?4つの方法と法律・進め方をわかりやすく解説

Author ドキュサイン
ドキュサイン

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※本記事は2026年7月時点の法令・情報に基づいています。

契約書の電子化を進めたいものの、「PDF保存だけでよいのか」「電子契約に法的効力はあるのか」と迷う担当者は少なくありません。

紙のスキャン保存、電子署名、電子契約サービス、契約書管理システムは、それぞれ目的と役割が異なります。

本記事では、電子化に関係する法律や収入印紙の扱い、原本保管、取引先への対応まで整理し、自社に合う方法と新規契約から始める進め方をわかりやすく解説します。

契約書の電子化とは?契約は紙がなくても原則として成立する

契約書の電子化とは、紙の契約書をPDFで保存したり、電子署名を付けたり、電子契約サービスで締結したりすることです。

日本では、特別な決まりがある契約を除き、紙の書面や押印がなくても、当事者同士の合意があれば契約は原則として成立します。ただし、PDF化しただけでは、誰が作成したのか、内容が変更されていないかを十分に説明できません。

電子署名や電子契約サービスを利用すれば、本人確認や締結後の変更の有無を確認しやすくなり、トラブル時の証拠として説明しやすくなります。なお、契約の種類によっては書面の交付や相手方の承諾が必要なため、電子化する前に個別の法律を確認しておきましょう。

参考:e-Gov法令検索|民法第522条 新しいタブで開く

契約書を電子化・管理する4つの方法

契約書の電子化には、保管だけを効率化する方法から、締結後の更新管理までまとめて行う方法まであります。

方法

主に解決できる課題

残る課題

スキャン保存

紙の保管、閲覧、共有、検索

押印や郵送による締結は紙のまま

PDFへの電子署名

作成者の確認、書き換えの発見

申請、承認、更新管理は別に整える

契約書管理システム

紙と電子の一元管理、検索、満了管理

契約の締結機能がない場合がある

電子契約サービス

作成、送信、署名、保存のオンライン化

過去の紙契約の管理は別途確認する

まずは、紙を減らしたいのか、署名の確かさを高めたいのか、契約全体を管理したいのかを分けて考えましょう。目的に合わない方法を選ぶと、押印や郵送、検索の手間が残るため、それぞれの役割を理解して選択することが欠かせません。

1. 紙の契約書をスキャンしてデータ保存する

紙の契約書をスキャンしてPDFなどのデータにする方法は、保管場所の削減と社内共有のしやすさがメリットです。

過去の契約書を書庫などから棚卸しし、契約相手や締結日、満了日がわかる名前を付けて保存すると、必要な書類を探しやすくなります。

ただし、締結方法そのものは紙のままであり、押印や郵送の手間はなくなりません。税務上の要件を満たせば紙を処分できる場合もありますが、スキャン直後にすべて廃棄できるわけではないため、原本をいつまで残すかも社内ルールで決めておく必要があります。

2. PDFファイルに個別に電子署名を付与する

PDFファイルに電子署名を付けると、その文書を誰が作成したのか、締結後に内容が書き換えられていないかを説明しやすくなります。

電子署名とは、電子文書の作成者を確認し、改ざんを見つけやすくする仕組みです。個別のPDFを安全にやり取りしたい場合には有効ですが、署名を付けるだけで社内の申請や承認、取引先への案内、契約後の満了日管理まで自動で対応できるわけではありません。

どの担当者が署名し、どこへ保存するかまで社内で決めておきましょう。

3. 既存の紙契約と電子契約をシステムで一元管理する

紙の契約書と電子契約が混在している場合は、契約書管理システムで情報をまとめる方法が向いています。

契約書管理システムとは、契約相手、契約期間、自動更新の有無、担当部署、閲覧できる人などを登録し、検索や更新管理を行う仕組みです。必要な契約書を探しやすくなり、満了日や自動更新の見落としも防ぎやすくなります。

ただし、システムによっては契約締結機能がないこともあるため、押印や郵送も減らしたい場合は、電子契約サービスとの連携・併用を検討しましょう。

4. 電子契約サービスで作成・送信・署名・保存まで行う

電子契約サービスを使うと、契約書の作成や送信、相手方の確認、署名、契約締結後の保存までをオンラインで進めやすくなります。

紙の印刷や押印、郵送、押印のための出社を減らしたい企業に適した方法で、電子署名や改ざん防止の仕組みも組み込みやすいです。また、電子データそのものには印紙税が課されないため、紙の課税文書を作成しない範囲でコスト削減が見込めます。

ただし、過去の紙契約の検索や満了日管理まで十分に行えるかはサービスによって異なります。本人確認の方法、保存機能、訂正や削除の履歴、取引先への控えの渡し方を確認して選びましょう。

参考:国税庁|電磁的記録により作成された契約書の取扱い 新しいタブで開く

契約書の電子化を支える3つの法律

契約書を電子化する際は、契約の信頼性、税務上の保存、法令で保存が必要な文書の電子化を分けて確認する必要があります。

電子署名法、電子帳簿保存法、e-文書法のそれぞれの役割と、実務で確認すべきポイントを以下の表でまとめました。

法律

主な役割

実務上の確認ポイント

電子署名法

電子署名の仕組みや法的な効力を定める

本人確認、署名方法、改ざんの確認方法

電子帳簿保存法

税務関係の帳簿や書類を電子データで保存するためのルールを定める

検索、画面表示、改ざん防止、保存場所

e-文書法

法令で保存が必要な文書を電子化して保存するためのルールを定める

対象文書、関係する省令、紙原本を残す条件

どれかひとつだけを確認すれば十分ではないため、自社が行う契約や保存方法にあわせて整理して対応しましょう。

1. 電子署名法|一定の電子署名が付された電子文書の真正な成立を推定する

電子署名法は、電子契約書を誰が作成し、本人の意思で締結したのかを説明しやすくする法律です。

一定の条件を満たす電子署名が本人によって付けられていれば、その電子文書は本人の意思にもとづいて作成された(真正な成立)と推定されます。このことから、裁判などで文書の成立を証明する際に役立ちます。

ただし、電子署名がなければ契約が必ず無効になるわけではありません。契約の有効性と、証拠としての説明のしやすさは分けて考える必要があります。

参考:デジタル庁|電子署名法及び関係法令 新しいタブで開く

関連記事:電子署名法とは?第2条・第3条の要件や電子契約の法的効力をわかりやすく解説

2. 電子帳簿保存法|電子取引データ・スキャンデータの保存要件を定める

電子帳簿保存法は、契約書や請求書などの電子データを、税務上どのように保存するかを定める法律です。

電子メールや電子契約サービスで受け取った契約書は、印刷した紙ではなく、受け取った電子データそのものを保存する必要があります。保存時には、後から内容を確認できること、書き換えを防ぐ運用に加え、原則として日付や金額、取引先で検索できることが求められます。

ただし、一定の売上高以下の事業者等には検索要件を満たすことが不要となる措置があり、猶予措置が適用される場合もあります。自社の適用条件は国税庁の最新情報で確認してください。

紙をスキャンしたデータには別の要件があるため、電子取引データと同じ扱いにはできません。

参考:国税庁|電子帳簿等保存制度を活用して、デジタル化をさらに進めてみませんか?(令和8年6月) 新しいタブで開く

関連記事:電子帳簿保存法とは?義務になる書類と緩和措置をわかりやすく解説

3. e-文書法|法令で保存が義務付けられた文書の電子保存を認める

e-文書法は、法律で紙の保存が求められていた文書について、一定の条件を満たせば電子データで保存できるようにするための法律です。

最初から電子的に作成した文書だけでなく、紙をスキャンして画像データとして保存する場合も対象になり得ます。ただし、すべての文書を自由に電子化して、すぐに紙を捨てられるわけではありません。

文書ごとに関係する省令や保存条件が異なるため、対象となる契約書の種類と必要な手続きを確認しましょう。

関連記事:e-文書法とは?対象書類や電子帳簿保存法との違いも解説

契約書の電子化方法は3つのケースで異なる

契約書の電子化は、すべて同じ方法で進められるわけではありません。

新しく結ぶ契約、過去に紙で結んだ契約、法律で書面の交付が求められる契約では、電子化の方法や確認すべき内容が異なります。

契約書のケース

主な電子化の方法

確認するポイント

新たに締結する契約書

電子契約サービスを利用する

契約の種類、本人確認、電子署名、社内承認

過去に締結した紙の契約書

スキャンしてデータ保存する

紙原本の扱い、検索項目、契約台帳との連携

書面交付に決まりがある契約

電子交付の可否を個別に確認する

相手方の承諾、事前説明、交付時期、紙対応

契約が有効かだけでなく、保存方法や相手方の承諾まで分けて考えることが、法的な不安や運用上の混乱を減らすポイントです。

1. 新たに締結する契約書|原則として電子契約を利用できる

新たに締結する契約書は、法律に特別な決まりがなければ、原則として電子契約を利用できます。

日本では、契約方法を当事者が自由に決められるため、紙の書面や押印がなくても、双方の合意があれば契約は成立するのが原則です。電子署名を使えば、誰が契約したのか、締結後に内容が変更されていないかを説明しやすくなります。

ただし、業務委託契約や雇用契約のように一般的な契約でも、業界の規制や社内規程によっては別の手続きが必要なため、導入前に対象となる契約を整理してください。

2. 過去に締結した紙の契約書|保存要件を確認してスキャンする

過去に締結した紙の契約書は、スキャンしてPDFなどのデータにすると、保管場所を減らし、検索や社内共有をしやすくできます。

ただし、スキャンした直後に紙の原本をすべて処分できるとは限りません。税務上の保存条件に加え、監査や契約トラブルに備えて原本を残すべき場合もあります。

まずは契約相手、締結日、契約の種類、満了日などがわかる名前を付けて保存し、契約台帳と結び付けて管理すると、電子化後に書類が見つからない事態を防げます。

ただスキャンしてオンラインストレージへ保存するだけでは、書庫のキャビネットを電子化したにすぎません。契約書の内容を構造化データとして保存することが大切です。

3. 法律で書面交付が定められた契約|電子交付の可否と相手方の承諾を確認する

法律で書面の交付方法が定められている契約は、電子契約へ一律に切り替えず、個別の条件を確認する必要があります。

不動産取引や一部の消費者向け取引では、電子交付を行う前に相手方の承諾や事前説明が求められる場合があります。書類を渡す時期や方法にも決まりがあるため、電子データを送れば対応完了とは限りません。

また、事業用定期借地契約や任意後見契約のように、書面や公正証書による作成が義務付けられている契約もあります。公正証書の作成に係る一連の手続は2025年10月1日からデジタル化され、オンラインでの申請やウェブ会議による手続き、電子データによる証明書の受領を選択できるようになりました。ただし、公正証書による作成が必要な契約であること自体がなくなったわけではありません。

契約の種類ごとに、電子交付が認められているか、承諾をどう取得するか、紙を希望する相手へどう対応するかを決めておきましょう。

参考:法務省:公正証書の作成に係る一連の手続のデジタル化について 新しいタブで開く

契約書を電子化する4つのメリット

契約書を電子化すると、主に次の4つのメリットを得られます。

  • 紙の契約書にかかるコストの削減

  • 契約締結の迅速化

  • 検索・更新管理の効率化

  • セキュリティ・内部統制の強化

契約の電子化は、コスト削減や業務効率化を進めやすい取り組みです。

しかし、PDFを保存するだけでは十分な効果を得にくいため、締結方法と保存後の管理を一体で整え、運用していくことが重要です。

1. 印紙税・郵送費・保管コストを削減できる

電子契約を利用すると、電子データそのものには印紙税が課されないため、紙の契約書に収入印紙を貼る費用を減らせます。

契約書を印刷して封筒へ入れ、取引先へ郵送する作業も不要です。郵送費や担当者の作業負担も抑えられ、紙原本を保管する書庫やキャビネットなど、物理的なスペースの使用も減らしやすくなります。

ただし、過去の紙契約を残す場合や、相手方の希望で紙を利用する場合もあるため、削減できる範囲を分けて考えましょう。

2. 契約締結までの時間を短縮できる

電子契約では、契約書の送信、相手方の確認、署名、締結後の控えの受領までをオンラインで進められるため、契約締結までの時間を短縮しやすくなります。

紙契約のように、印刷、押印、社内回覧、郵送、返送を順番に待つ必要がなく、取引先が遠方にいても手続きを進めやすいです。また、押印のためだけに出社したり、返送状況を電話やメールで確認したりする負担も減らせます。リモートワークやテレワークを導入している企業でも、契約手続きを止めずに進められます。

ただし、法務審査や社内承認の流れが整理されていなければ、電子化しても途中で止まるため、承認手順の見直しもあわせて行いましょう。

3. 検索・更新管理がしやすくなる

契約書を電子化し、契約相手、締結日、開始日、終了日、自動更新の有無、担当部署などを登録すると、必要な契約を検索しやすくなります。さらに満了日や自動更新を管理できれば、解約や更新の判断が遅れる事態も防げます。

PDFを保存するだけでは、検索性は上がりません。契約内容を項目ごとに整理し、契約台帳と結び付けておきましょう。

4. アクセス制御と監査ログによりセキュリティ・内部統制を強化しやすい

電子契約サービスや契約書管理システムを利用すると、部署や役職に応じて閲覧できる契約書を制限し、機密情報を必要な人だけに共有できます。

アクセス制御を使うと、誰がどの契約書を閲覧、変更、削除できるかを設定できます。対応するシステムであれば、誰がいつ閲覧や変更を行ったかを監査ログで確認でき、セキュリティと内部統制の強化につながります。記録される操作の範囲はサービスや設定によって異なるため、導入前に確認しましょう。

ただし、異動や退職時に権限を外す担当者と手順はあらかじめ決めておく必要があります。システム任せにせず、社内ルールを定めて運用しましょう。

契約書を電子化する3つのデメリット

契約書の電子化には多くの利点がありますが、サービスを導入するだけで業務が自動的に整うわけではありません。

紙から電子への移行を進めるうえでは、以下の3点を押さえておく必要があります。

  • 取引先の理解と協力を得る

  • 業務フローの変更と社内整備を進める

  • 契約や相手方によって条件が異なることを理解する

電子化の導入前から、想定される負担と対策を整理しておけば、締結が止まったり、保存方法が部署ごとに分かれたりする混乱を防ぎやすいでしょう。

1. 取引先の理解と協力が必要になる

電子契約を進めるには、取引先に新しい締結方法を理解してもらい、必要な操作に協力してもらう必要があります。

紙の押印に慣れた取引先であれば、電子署名の安全性や契約の有効性について説明を求められるかもしれません。案内が不十分だと、確認や署名が進まず、かえって締結が遅れるおそれがあります。

契約内容は変わらないこと、締結後に控えを受け取れること、本人確認や改ざん防止の仕組みがあることを伝え、紙を希望する場合の対応方針も決めておきましょう。

なお電子署名については、以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

関連記事:電子署名とは?仕組みとやり方、導入時の注意点をわかりやすく解説

2. 業務フローの変更と社内整備が必要になる

契約書を電子化する際は、紙をPDFへ変えるだけでなく、申請、法務確認、承認、送信、保存、更新管理の流れを見直す必要があります。

誰が契約書を作成し、誰が内容を確認し、誰が相手方へ送るのかが曖昧だと、電子化後の手続きが途中で止まりかねません。保存場所やファイル名を担当者ごとに任せれば、必要な契約書を探せない問題も残ります。

担当者、承認手順、保存方法、閲覧権限、異動や退職時の権限変更まで社内規程として明文化しておきましょう。

3. 契約類型や相手方によって電子化の条件が異なる

すべての契約書を同じ方法で電子化できるとは限りません。

一般的な企業間契約は電子契約を利用しやすい一方、不動産取引や一部の消費者向け取引では、電子交付の前に相手方の承諾や事前説明が必要な場合があります。書類を渡す時期や方法に決まりがある契約もあり、そのようなケースでは電子データを送るだけでは取引の要件を満たせません。

契約の種類ごとに、電子交付が認められるか、承諾をどう取得するか、紙原本を残す必要があるかを確認し、判断に迷う契約は個別に扱いましょう。

契約書を電子化する際の運用上の注意点

契約書を電子化するときは、契約が法的に成立するかだけでなく、電子データをどのように保存し、誰が管理するかまで決める必要があります。

確認する項目

主な確認内容

放置した場合の問題

契約の有効性

電子契約が認められる契約か確認する

承諾や書面交付の条件を見落とす

電子データの保存

検索、表示、改ざん防止の方法を決める

税務調査時に必要なデータを提示できない

紙原本の扱い

保管する契約と廃棄できる条件を定める

監査や紛争時に必要な原本を失う

権限と保存場所

登録、閲覧、変更、削除の担当者を決める

情報漏えいや契約書の所在不明につながる

電子署名を付けても、税務上の保存条件や紙原本の扱いが自動的に整うわけではありません。締結、保存、原本管理、閲覧権限を分けて確認しましょう。

電子契約の有効性と電子データの保存要件は分けて確認する

電子契約が法的に有効かどうかと、締結後のデータを適切に保存できているかは別の問題です。

法律に特別な決まりがなければ、紙や押印がなくても双方の合意によって契約は原則として成立します。一方、電子取引で受け取った契約書は、印刷した紙だけでなく電子データそのものを保存しなければなりません。

保存時には、後から内容を確認できること、書き換えを防ぐ仕組みに加え、原則として日付、金額、取引先で検索できることが必要です。ただし、検索条件の不要措置や猶予措置が適用される場合もあります。電子署名を使えばすべての保存要件を満たせるとは限らないため、別々に確認しましょう。

紙の原本をすぐに廃棄できない場合がある

紙の契約書をスキャンしても、その直後に原本をすべて廃棄できるとは限りません。

税務上のスキャナ保存では、対象となる書類や保存方法によって条件が異なります。保存要件を満たし、電子データと紙の内容が同等であることを確認したうえで、原本を廃棄できる場合があります。ただし、過去分の重要書類をスキャナ保存する場合は、あらかじめ所轄税務署長等への届出が必要です。

契約金額や重要性だけで一律に判断せず、関係する法律、社内規程、紛争時の証拠としての必要性を確認し、廃棄できる条件を明文化しましょう。

参考:国税庁|スキャナ保存に関する取扱い 新しいタブで開く

アクセス権限と保存場所のルールを先に決める

電子化を始める前に、保存場所と閲覧できる人を統一しておきましょう。

部署ごとに異なるフォルダへ保存したり、担当者が自由なファイル名を付けたりすると、必要な契約書を見つけられず、満了日や自動更新も確認しにくくなります。

アクセス権限とは、誰が契約書を閲覧、変更、削除できるかを決める仕組みです。誰がデータを登録し、内容を確認し、権限を設定するかを定め、異動や退職時に権限を外す手順まで社内ルールに含めておきましょう。

契約書の電子化は「新規契約の締結」から始める

契約書の電子化は、過去の紙契約を一度にすべて処理するより、新たに結ぶ契約から始める方が進めやすくなります。

進める対象

主な対応

進める際のポイント

新規契約

電子契約サービスで締結する

更新契約や定型契約から切り替える

既存の紙契約

重要度に応じてデータ化する

契約台帳へ必要な情報を登録する

取引先への対応

変更がある点・変更がない点を説明する

紙を希望する場合の方針も案内する

新規契約を電子契約へ切り替えながら、既存契約は重要度に応じて整理すると、現場の負担を抑えられます。取引先には、手続きは変わっても契約内容は変わらないことを丁寧に伝えましょう。

新規契約は電子契約サービスで締結する

新規契約は、電子契約サービスを使った締結から始めると、紙と電子が増え続ける状況を止めやすくなります。

法律に特別な決まりがない契約であれば、紙や押印がなくても双方の合意によって成立するのが原則です。電子契約サービスを使えば、契約書の送信、相手方の確認、電子署名、締結後のクラウド保存までをオンラインで進められます。

まずは更新契約や件数の多い定型契約など、切り替えやすいものから始めましょう。

既存の紙の契約書は、重要度の高いものからデータ化する

既存の紙契約は、すべてを同時にスキャンせず、重要度や管理上の必要性が高いものからデータ化するのが現実的です。

満了日が近い契約、自動更新がある契約、利用頻度が高い契約、紛争や監査への備えが必要な契約を優先すると、電子化の効果を得やすくなります。

ただし、PDFを保存するだけでは、必要な契約をすぐに探せません。契約相手、締結日、開始日、終了日、自動更新の有無、担当部署などを契約台帳へ登録し、検索や更新管理に使える状態にしておきましょう。

なお、紙原本を廃棄できるかは、保存条件や証拠としての必要性を確認して判断してください。

取引先には「何が変わらないか」を説明する

取引先への説明では、電子契約で変わる操作だけでなく、契約内容や双方の権利と義務は変わらないことを最初に伝えます。

紙への押印と郵送に代わり、電子契約サービス上で内容を確認して締結すること、締結後は契約書の控えを電子データで受け取れることを案内しましょう。本人確認や改ざん防止の仕組みも、難しい法律用語を避けて説明します。

相手方が紙を希望する場合の窓口や対応方針も決めておけば、一方的な変更という印象を抑え、確認や締結が止まる事態を防ぎやすくなります。

契約書の電子化に関するよくある質問

契約書の電子化では、契約が有効に成立するかどうかと、締結後のデータをどう保存・管理するかを分けて考えることが判断のポイントです。

以下からは、契約の電子化にあたって出てくるよくある疑問を整理し、解説していきます。

Q1. PDF化した契約書に法的効力はありますか?

PDF化した契約書でも、内容が確認でき、当事者の合意を説明できれば、証拠として使える可能性があります。

ただし、紙の契約書をスキャンしただけでは、誰が作成し、後から書き換えられていないかまで自動で証明できるわけではありません。電子署名を付けると、本人が関与したことや改ざんの有無を説明しやすくなります。

また、契約の有効性と証拠としての強さは別です。重要な契約は紙原本の保管や署名方法もあわせて確認しておきましょう。

Q2. 電子契約にすると収入印紙は不要になりますか?

電子契約データそのものには、印紙税はかかりません。

印紙税は紙の課税文書に対して課されるため、契約を電子データだけで作成し、オンラインで締結する場合は収入印紙が不要になります。ただし、同じ契約内容でも紙の契約書を作成すれば、課税対象になる可能性があります。

電子化の効果を社内稟議で説明するときは、電子契約ですべての費用がなくなると言わず、紙対応が残る契約の範囲も分けて示しましょう。

Q3. 取引先が電子契約に応じない場合、紙のままでも問題ありませんか?

取引先が電子契約に応じない場合は、紙の契約書を選択できます。ただし、契約類型ごとに必要な作成方式や交付要件がある場合は、紙で対応する際にも個別に確認してください。

電子契約への切り替えは、相手方の理解や協力がなければ進みにくいため、導入初期から紙対応の方針を決めておくと安心です。

原則は電子契約としつつ、相手方の事情に応じて紙を選べるようにすると、締結が止まる事態を防げます。紙と電子が混在する間は、どちらの契約も同じ契約台帳で管理し、満了日や保存場所を確認できる状態に整えておきましょう。

Q4. 過去の紙の契約書もすべて電子化する必要がありますか?

過去の紙の契約書を、すべて一度に電子化する必要はありません。

まずは満了日が近い契約、自動更新がある契約、利用頻度が高い契約、監査や紛争への備えが必要な契約から優先して進めます。スキャンしてPDFを保存するだけでは検索や更新管理がしにくいため、契約相手、締結日、開始日、終了日、担当部署なども契約台帳へ登録しましょう。

紙原本を廃棄できるかは、税務上の保存条件や証拠としての必要性を確認して判断します。

契約書の電子化を締結から進めるならDocusign

契約書の電子化を新規契約の締結から始めるなら、Docusign eSignatureが選択肢のひとつです。

契約書の送信、署名者の指定、電子署名、締結後の保存までをオンラインで進められます。また、エンベロープの閲覧、送信、署名などのアクティビティは監査証跡として記録されます。利用できる機能や保存条件は、対象の製品、プラン、設定を確認してください。

導入にあたっては、対象とする契約の範囲、社内の申請と承認の流れ、取引先への案内、電子データの保存ルールを先に決めておくとよいでしょう。

また、Docusign IAMは、対応する製品と機能を通じて、契約の作成、締結、管理といった合意・契約プロセス全体の効率化を支援します。Docusign CLMは、2025年のGartner「Magic Quadrant for Contract Life Cycle Management」で6年連続のリーダーに選出されています。

締結から始めて、既存契約の検索や満了日の管理まで一貫して整えたい場合は、Docusignの導入を検討してみましょう。

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