
収入印紙とは?必要な書類・金額一覧・買える場所をわかりやすく解説
※本記事は2026年7月時点の法令・情報に基づいています。
収入印紙とは、印紙税などの税金や国への手数料を納付するための証票です。契約書や領収書など、印紙税法で定められた文書を紙で作成する際に使用します。
必要な収入印紙の金額は、文書の種類や記載金額によって異なります。判断を誤ったり、貼り忘れたりすると、原則として納付しなかった印紙税額とその2倍に相当する金額との合計が過怠税として徴収されます。これは、納付すべき印紙税額の3倍に相当します。
一方、紙の課税文書を作成・交付せず、電磁的記録のみで完結する電子契約は、一般に印紙税の課税対象となる「文書」に当たらないとされています。
本記事では、契約書や領収書を扱う法務・経理・営業事務の担当者に向けて、収入印紙が必要な書類や金額、購入場所、貼り方をわかりやすく解説します。

収入印紙とは?「印紙税」を納付するための証票
収入印紙は、国が発行する証票です。印紙税のほか、登録免許税や国に納める手数料などの支払いにも利用されます。
印紙税を納付する場合は、課税文書に必要な金額の収入印紙を貼り、印章または署名で消印します。ただし、収入印紙は契約を成立させるためのものではありません。貼り忘れがあっても契約書の法的効力が直ちに失われるわけではなく、納税上の問題として扱われます。
ここからは、印紙税を納める理由や対象文書、切手などとの違いを解説します。
印紙税を納付する理由
印紙税を納付する理由は、印紙税法が、契約書や領収書など特定の文書を課税対象としているためです。課税文書の作成者には、文書を作成した時点までに印紙税を納める義務があります。
課税対象かどうかは、書類の名称だけでは判断されません。「覚書」「注文請書」「合意書」といった名称でも、契約の成立や変更を証明する内容であれば課税文書に該当する可能性があります。また、同じ契約書を2通作成し、双方が原本として保管する場合は、原則として2通とも課税対象です。
文書の形式ではなく、記載内容や使用目的から判断する点が重要です。
参考:No.7100 課税文書に該当するかどうかの判断|国税庁 新しいタブで開く
印紙税が必要な20種類の課税文書
印紙税の課税対象は、印紙税法別表第一に掲げられた20種類の文書です。日常的な企業実務では、不動産売買契約書、請負契約書、継続的取引の基本契約書、領収書などを扱う機会が多いでしょう。
代表例を含めた20種類は、次のとおりです。
号 | 課税文書の種類 |
第1号 | 不動産等の譲渡、土地賃借権の設定・譲渡、消費貸借、運送に関する契約書 |
第2号 | 請負に関する契約書 |
第3号 | 約束手形・為替手形 |
第4号 | 株券、出資証券、社債券、一定の受益証券 |
第5号 | 合併契約書、吸収分割契約書、新設分割計画書 |
第6号 | 会社設立時に作成する定款の原本 |
第7号 | 継続的取引の基本となる契約書 |
第8号 | 預金証書・貯金証書 |
第9号 | 倉荷証券・船荷証券・複合運送証券 |
第10号 | 保険証券 |
第11号 | 信用状 |
第12号 | 信託行為に関する契約書 |
第13号 | 債務保証に関する契約書 |
第14号 | 金銭・有価証券の寄託に関する契約書 |
第15号 | 債権譲渡・債務引受けに関する契約書 |
第16号 | 配当金領収証・配当金振込通知書 |
第17号 | 金銭・有価証券の受取書 |
第18号 | 預貯金通帳・信託通帳・保険料通帳など |
第19号 | 消費貸借通帳・請負通帳・金銭受取通帳など |
第20号 | 判取帳 |
税額や非課税条件は文書ごとに異なります。詳細は国税庁の印紙税額の一覧表(第1号文書から第4号文書) 新しいタブで開くおよび印紙税額の一覧表(第5号文書から第20号文書) 新しいタブで開くで確認できます。
収入印紙と収入証紙・切手の違い
収入印紙、収入証紙、郵便切手は見た目が似ていますが、納付先と用途が異なります。相互に代用できないため、購入時は名称を確認しましょう。
種類 | 発行・納付先 | 主な用途 |
収入印紙 | 国 | 印紙税、登録免許税、国への手数料 |
収入証紙 | 都道府県など | 自治体への手数料や使用料 |
郵便切手 | 日本郵便 | 郵便料金 |
収入証紙は、運転免許や自治体の許認可に関する手数料などに使われます。郵便切手は郵便料金を支払うものであり、課税文書に貼っても印紙税を納付したことにはなりません。
収入印紙が必要か判断する基準
収入印紙の要否は、文書の名称ではなく記載内容に基づいて判断します。「契約書」と書かれていても課税文書に該当しない場合がある一方、「覚書」や「注文請書」でも課税される場合があります。
判断時は、まず20種類の課税文書に該当するかを確認しましょう。次に、非課税となる条件や電子データに該当しないかを調べ、最後に記載金額から税額を特定します。以下では、この判断手順と収入印紙が不要になるケースを整理します。
3ステップで判断(課税文書か→非課税でないか→記載金額はいくらか)
収入印紙が必要かどうかは、次の3ステップで判断できます。
20種類の課税文書に該当するか:文書の記載内容や取引の実態から、課税文書の種類を特定します。
非課税となる条件に該当しないか:たとえば、売上代金の領収書は記載金額が5万円未満なら非課税です。
文書の記載金額はいくらか:第1号文書や第2号文書などは、契約金額によって税額が変わります。
複数の課税事項を含む文書は、所属する号を一定のルールで決めます。
実務でよくある「印紙が必要?不要?」の判断例
上記の3ステップを踏まえて、実務でよく迷うケースを4つ整理します。なお、以下の例はあくまでも参考です。判断が難しい契約書は、所轄税務署や税理士などへ必ず確認してください。
【注文請書に印紙は必要か】
注文書そのものは原則として非課税です。一方、注文請書は記載内容によって判断が分かれます。
仕事の完成を約する「請負」に該当する内容であれば、第2号文書として印紙税の対象です。物品の売買に関する単なる注文の引き受けにとどまる場合は、課税文書に当たらないことがあります。
参考:No.7102 請負に関する契約書|国税庁 新しいタブで開く、No.7100課税文書に該当するかどうかの判断|国税庁 新しいタブで開く
【業務委託契約書に印紙は必要か】
「業務委託契約書」という名称だけでは課税の有無を判断できません。
契約内容が成果物の完成を約するもの(請負)であれば第2号文書に該当し、印紙が必要です。
事務処理を委託する内容(委任)であれば、課税文書に該当しない場合があります。
実際には請負と委任の要素が混在する契約も多いため、記載内容を慎重に確認しましょう。
参考:No.7100「課税文書に該当するかどうかの判断」|国税庁 新しいタブで開く、印紙税の手引|国税庁 新しいタブで開く
【秘密保持契約書(NDA)に印紙は必要か】
秘密保持契約書は、20種類の課税文書のいずれにも該当しないことが多く、通常は印紙税の対象外です。ただし、文書中に金銭の受取や債務保証に関する内容が含まれる場合は、別の号に該当する可能性があります。
参考:No.7100課税文書に該当するかどうかの判断|国税庁 新しいタブで開く、No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」|国税庁 新しいタブで開く
【注文請書をメールで送った場合は?】
注文請書をPDFにしてメールで送信した場合は、紙の課税文書を作成・交付していないため、印紙税の対象にはならないと考えられています。ただし、メールで送った後に署名・押印済みの原本を別途郵送する場合は、その紙の文書が課税対象となる可能性があります。
参考:請負契約に係る注文請書を電磁的記録に変換して電子メールで送信した場合の印紙税の課税関係について|国税庁 新しいタブで開く
収入印紙が不要な2つのケース
収入印紙が不要となる主なケースは、「非課税・不課税の紙文書」と「電磁的記録」の二つです。
ひとつ目は、記載内容が20種類の課税事項に該当しない紙文書、または非課税条件を満たす文書です。たとえば、一般的な委任契約書や秘密保持契約書は課税文書に該当しないことがあります。ただし、文書名ではなく記載内容から判断する必要があります。非課税条件の例としては、5万円未満の売上代金の領収書や、1万円未満の一般的な請負契約書などがあります。
2つ目は、紙の課税文書を作成・交付せず、電子データだけで作成・締結した契約書です。PDFを保管・閲覧目的で印刷しただけのものは、通常、単なる写しとして扱われます。ただし、署名・押印した印刷物を契約の成立や内容を証明する原本として相手方へ交付する場合は、課税文書に該当する可能性があります。
収入印紙の金額一覧【全31種類】
収入印紙には、1円から10万円まで全31種類の券種があります。印紙税額と収入印紙の券種は別の概念であり、必要な税額に合わせて複数枚を組み合わせることも可能です。
金額帯 | 収入印紙の額面 |
100円未満 | 1円、2円、5円、10円、20円、30円、40円、50円、60円、80円 |
100円以上1,000円未満 | 100円、120円、200円、300円、400円、500円、600円 |
1,000円以上1万円未満 | 1,000円、2,000円、3,000円、4,000円、5,000円、6,000円、8,000円 |
1万円以上 | 1万円、2万円、3万円、4万円、5万円、6万円、10万円 |
実務で特に使用機会が多いのは、5万円以上の領収書に使う200円印紙です。請負契約書、不動産売買契約書、継続的取引の基本契約書では、記載金額や契約内容に応じて高額な収入印紙が必要になる場合があります。
実務でよく見られる税額例は、次のとおりです。
文書の例 | 記載金額・条件 | 印紙税額 |
売上代金の領収書 | 5万円以上100万円以下 | 200円 |
一般的な請負契約書 | 1万円以上100万円以下 | 200円 |
継続的取引の基本契約書 | 所定の要件を満たすもの | 4,000円 |
不動産売買契約書 | 1,000万円超5,000万円以下 | 1万円(※) |
建設工事請負契約書 | 1,000万円超5,000万円以下 | 1万円(※) |
※2027年3月31日までの軽減措置を適用した税額
参考:
収入印紙の主な購入場所
収入印紙の主な購入場所は「郵便局」「法務局」「コンビニ」の3つです。それぞれの特徴や、購入時の注意点を確認しておきましょう。
購入場所の比較(郵便局・法務局・コンビニ)
購入場所 | 取扱券種 | 支払方法 | 向いている場面 |
郵便局 | 局・在庫による | 現金 | 高額・複数券種の購入 |
法務局 | 売り場による | 現金が中心 | 登記手続きと同時に購入 |
コンビニ | 200円印紙が中心 | 店舗による | 200円印紙をすぐに購入 |
高額な収入印紙や複数の券種が必要な場合は、郵便局が候補になります。ただし、取扱券種や在庫状況は郵便局ごとに異なるため、高額な印紙をまとめて購入する際は事前に確認しましょう。
法務局では、登記手続きで使う収入印紙を庁舎内の売りさばき所などで購入できる場合があります。ただし、すべての法務局や証明サービスセンターに販売所があるとは限りません。
コンビニは24時間営業の店舗が多く、200円印紙をすぐに購入したい場合に便利です。取扱いの有無や在庫は各店舗へ確認してください。
購入時の注意点(コンビニの取扱い範囲・支払い方法・窓口の営業時間)
購入前には、取扱券種・在庫・支払方法・営業時間の4点を確認しましょう。コンビニでは200円以外の印紙を取り扱っていないケースが多く、店舗によっては収入印紙自体を販売していません。
郵便局や法務局内の売り場は、平日の日中のみ営業している場合があります。また、日本郵便では収入印紙の購入にクレジットカードや電子マネーなどのキャッシュレス決済を利用できません(2026年7月時点)。法務局やコンビニでも現金払いに限られることがあるため、現金を用意すると確実です。
高額な印紙は紛失・盗難リスクもあるため、必要な時期に必要な枚数だけ購入し、受払記録を残しましょう。
参考:郵便窓口におけるキャッシュレス決済|郵便局 新しいタブで開く
収入印紙の正しい貼り方と消印のルール
収入印紙によって印紙税を納付するには、必要額の印紙を課税文書に貼り、再利用できないよう消印する必要があります。貼っただけでは手続きが完了したとはいえません。
貼る位置に厳格な法定ルールはありませんが、文書と印紙の両方にかかるよう、判別可能な印章または署名で消印します。消印を忘れると、印紙の額面に相当する過怠税が課される可能性があります。ここからは、貼付位置や消印の具体的な方法を確認しましょう。
貼る位置(契約書・領収書別)
収入印紙を貼る位置について、印紙税法上の細かな指定はありません。契約書では、表紙や契約当事者の署名・押印欄付近など、確認しやすい余白に貼るのが一般的です。収入印紙欄が設けられている場合は、その欄を使用します。
領収書では、金額や発行者欄を隠さないよう、余白または所定の印紙欄に貼りましょう。複数枚を使う場合は、重ならないように並べ、すべての印紙に消印がかかる状態にします。
契約書を2通作成し、双方が原本として保管する場合は、それぞれの契約書に必要額の収入印紙を貼付します。単なるコピーは原則として対象外です。
消印と割印の違い・正しい押し方
収入印紙に必要なのは、法律上「消印」と呼ばれる処理です。文書と印紙の模様部分にまたがるように印章を押すか、消せない筆記具で自筆の署名を行います。斜線を引くだけ、鉛筆で記入するだけでは、適切な消印とは認められません。
消印は契約書に使用した印鑑と同じでなくても構いません。担当者の認印や氏名・役職を示すゴム印でもよく、契約当事者の全員が押す必要もありません。
一方、割印は複数の契約書が同一内容であることを示すため、文書同士にまたがって押す印です。収入印紙への処理とは役割が異なります。
貼り付けた収入印紙が無効となるケース
消印済みの収入印紙や、文書から剥がした収入印紙は、別の文書へ再利用できません。文書から印紙部分を切り取ったものも、郵便局での交換や税務署での還付を受けられません。
汚損・破損して額面や真贋を確認できない収入印紙も、交換を断られる可能性があります。
なお、収入印紙の貼り方に不備があっても、契約そのものが直ちに無効になるわけではありません。無効になるのは印紙税の納付手段としての扱いであるため、契約の効力とは分けて考えましょう。
収入印紙の貼り忘れは「過怠税」のリスクになる
課税文書へ収入印紙を貼り忘れると、本来の印紙税に加えて過怠税が徴収される可能性があります。契約書や領収書を相手方へ交付したあとに貼り忘れへ気づいても、単に収入印紙を追加すれば必ず解決するとは限りません。
また、必要な収入印紙を貼っていても、消印がなければ過怠税の対象になり得ます。課税区分、記載金額、貼付額、消印の有無を、文書の作成・交付前に確認できる社内フローを整えることが重要です。
過怠税は最大3倍(自主申告なら1.1倍に軽減)
収入印紙を貼らずに課税文書を作成した場合、原則として納付すべき印紙税額の3倍に相当する過怠税が徴収されます。たとえば、本来1,000円を納付すべき文書なら、過怠税は3,000円です。
ただし、税務調査で指摘される前に「印紙税不納付事実申出書」を所轄税務署長へ提出し、一定の要件を満たした場合は、1.1倍相当額に軽減されます。消印のみを忘れた場合は、消印されていない収入印紙の額面相当額が過怠税となります。
過怠税は法人税の損金や所得税の必要経費に算入できません。貼り忘れに気づいたら、早めに所轄税務署へ相談しましょう。
参考:No.7131 印紙税を納めなかったとき|国税庁 新しいタブで開く
貼り間違えた収入印紙は還付手続きが可能
必要額を超える収入印紙を貼った場合や、課税文書ではない書類に誤って貼った場合は、印紙税の還付を受けられる可能性があります。使用しないことになった課税文書へ、収入印紙を貼っていた場合も対象です。
還付を受けるには、「印紙税過誤納確認申請(兼充当請求)書」と収入印紙を貼った文書の現物を、納税地の所轄税務署へ提出します。請求権は原則として5年で消滅するため、早めの手続きが必要です。
未使用で汚損していない収入印紙は、郵便局で別の額面に交換できます。交換手数料は原則として1枚につき5円で、10円未満の収入印紙は額面の半額です。現金への交換はできません。
参考:
収入印紙が不要になる電子契約の特徴
電子契約とは、契約内容を電磁的記録として作成し、オンライン上で合意・締結する契約方法です。印紙税は印紙税法で定められた「文書」に課されるため、電磁的記録のみで完結する電子契約は、原則として課税対象になりません。
参考:取引先にメール送信した電磁的記録に関する印紙税の取扱い|国税庁 新しいタブで開く
対象となる契約を電子契約へ移行すると、印紙代に加え、収入印紙の購入、在庫管理、貼付、消印、税額確認などの業務負担を減らせる可能性があります。ここでは、契約件数別の削減額や周辺コスト、電子契約の法的な位置付けについて解説します。
電子契約で削減できる印紙代を契約件数別に試算
電子契約による印紙代の削減額は、「紙契約1通当たりの印紙税額×電子化する契約件数」で概算できます。以下は、1件につき自社保管用の課税文書を1通作成していた場合の試算です。
年間契約件数 | 1通200円の場合 | 1通4,000円の場合 |
100件 | 2万円 | 40万円 |
500件 | 10万円 | 200万円 |
1,000件 | 20万円 | 400万円 |
この試算は、各文書が課税文書に該当し、記載した印紙税額が適用され、紙の原本を1件につき1通作成していた場合の単純計算です。実際の削減額は、文書の内容、作成通数、電子化できる範囲などによって異なります。
印紙代だけでなく印刷・郵送・保管コストも削減できる
電子契約で削減できるのは、収入印紙の購入費用だけではありません。紙の契約では、用紙代、印刷費、封筒代、郵送費、返送費、ファイルや書庫の維持費などが発生します。
さらに、契約書の製本、収入印紙の貼付と消印、原本のファイリング、契約書を探す作業にも人件費がかかります。電子契約によって一連の作業をオンライン化すれば、契約締結までの時間短縮や検索性の向上も期待できるでしょう。
電子契約の法的効力は紙の契約書と同等
電子契約も、原則として紙の契約書と同様に法的効力を持ちます。私法上の契約は、法令に特別な定めがある場合を除き、当事者の意思が合致すれば成立するためです。
また、電子署名法第3条 新しいタブで開くでは、本人による一定の要件を満たす電子署名が付された電子文書について、真正に成立したものと推定する仕組みが設けられています。本人確認や改ざん防止、監査証跡に対応した電子契約サービスを活用すれば、「誰が・いつ・どの文書に合意したか」を客観的な記録として残せます。
署名履歴や契約書をオンラインで確認できるため、証拠性を確保しながら、契約締結の迅速化や管理業務の効率化を図れる点も大きなメリットです。
収入印紙に関するよくある質問
ここでは、実務上の収入印紙に関してよくある質問にQ&A形式で回答します。
Q1. 収入印紙に有効期限はありますか?
収入印紙に有効期限はありません。古い形式の収入印紙でも、未使用で状態に問題がなければ使用できます。
ただし、消印済みのものや、文書から剥がしたものは再利用できません。汚れたり破れたりして、額面や真贋を確認できない状態になった収入印紙は、郵便局で交換できない可能性があります。
長期間保管する場合は、湿気や日光を避け、券種別に枚数を管理しましょう。高額な収入印紙は現金に近い管理が求められるため、保管責任者や持ち出しルールを決めておくことも大切です。
Q2. PDFで送った契約書を印刷して押印した場合、印紙は必要ですか?
印刷した目的と紙の文書の扱いによって異なります。電子契約として締結したPDFを、社内保管や閲覧のために印刷しただけであれば、通常は単なる写しであり、収入印紙は必要ありません。
一方、PDFを印刷し、署名・押印した紙を契約の原本として相手方へ交付する場合は、紙の課税文書を作成したと判断される可能性があります。該当する場合は収入印紙が必要です。
「印刷したか」ではなく、「その紙が契約の成立や内容を証明する原本として作成・交付されたか」で判断します。
参考:No.7120 契約書の写し、副本、謄本等|国税庁 新しいタブで開く
Q3. 収入印紙の購入費用はどの勘定科目で処理しますか?
印紙税の納付に使用する収入印紙は、一般的に「租税公課」で処理します。登録免許税など、ほかの税金の納付に利用する場合も、租税公課となるのが基本です。
一方、購入した収入印紙のうち、期末時点で多額の未使用分が残っている場合は、「貯蔵品」へ振り替える処理が考えられます。重要性が低い少額の未使用分は、継続適用を前提に購入時の費用として処理する実務もあります。
具体的な処理は、使用目的、金額の重要性、自社の会計方針によって異なります。個別の会計処理は、顧問税理士や経理責任者へ確認してください。あわせて、収入印紙の受払台帳と帳簿残高を一致させましょう。
Q4. 消費税額が載っている契約書の印紙税は、税込・税抜どちらを基準にしますか?
第1号文書、第2号文書、第17号文書では、消費税額が明確に区分記載されていれば、原則として税抜金額を印紙税の記載金額とします。
たとえば「請負金額1,100万円、うち消費税額100万円」と記載した場合、記載金額は1,000万円です。一方、「請負金額1,100万円(税込)」としか記載しておらず、消費税額が明らかでない場合は、1,100万円を基準にします。
この取扱いは上記3種類の課税文書に限られ、消費税の免税事業者には原則として適用されません。
参考:No.7124 消費税額等が区分記載された契約書等の記載金額|国税庁 新しいタブで開く
Q5. 電子契約すると印紙税はかからない?
契約内容を電子データとして作成・締結し、紙の契約書を作成しない場合、原則として印紙税はかかりません。
印紙税は法律で定められた「文書」に課されますが、電子契約の電磁的記録は文書に含まれないためです。ただし、電子契約とは別に、契約の成立を証明する目的で紙の契約書や変更契約書を作成した場合は、その紙が課税文書に該当し、印紙税が必要になることがあります。
印紙税の管理コストごと見直すなら電子契約(Docusign)
収入印紙にかかるコストを見直すには、印紙代だけでなく、税額判定、購入、在庫管理、貼付、消印、郵送、原本保管まで含めて考える必要があります。対象となる契約を電子化すると、これらの業務負担をまとめて減らせる可能性があります。
Docusign eSignatureでは、契約書をオンラインで送信・署名でき、「誰が・いつ・何に合意したか」を確認するための履歴を記録できます。紙と押印を前提とした契約フローを見直し、締結状況や契約書をデジタルで管理できます。
紙の契約件数や印紙代、郵送・保管に費やしている時間を整理し、費用対効果を確認したうえで電子契約への移行を検討してみてはいかがでしょうか。



