
契約書の収入印紙はいくら?種類別の金額一覧と不要になるケースを解説
※本記事は2026年7月時点の法令・情報に基づいています。
契約書に貼る収入印紙の金額は、契約書の種類や契約金額によって異なります。たとえば、請負契約書は契約金額に応じて200円から60万円です。継続的取引の基本契約書は、原則として1通4,000円となります。
ただし、「契約書」という名称だけで印紙税が決まるわけではありません。覚書や注文請書でも、記載内容によって課税対象になる可能性があります。一方、委任契約書や秘密保持契約書などは、原則として収入印紙が不要です。
本記事では、契約書を扱う法務・経理・営業担当者に向けて、契約書の種類別の印紙税額を解説します。判断時の注意点や貼り忘れへの対処方法、電子契約の取扱いも確認していきましょう。

印紙税の課税対象になり得る契約書8種類
印紙税は、印紙税法で定められた課税文書を紙で作成した場合に課されます。契約書へ収入印紙を貼り、印章または署名で消印するのが一般的な納付方法です。
契約書に収入印紙が必要かどうかは、次の3ステップで判断します。
印紙税法で定める20種類の課税文書に該当するか
非課税となる条件に該当しないか
契約書に記載された契約金額はいくらか
ここでは、課税対象になり得る主な契約書8種類と印紙税額を紹介します。
参考:No.7100 課税文書に該当するかどうかの判断|国税庁 新しいタブで開く
第1号文書|不動産等の譲渡・消費貸借・運送などの契約書
第1号文書には、主に次の契約書が該当します。
不動産、船舶、航空機、営業、知的財産権などの譲渡契約書
地上権や土地の賃借権の設定・譲渡契約書
金銭消費貸借契約書
運送契約書など
建物の賃貸借契約書は、原則として第1号文書に該当しません。ただし、土地の賃借権の設定・譲渡に伴う権利金の記載がある場合は、課税対象になる可能性があります。
第1号文書の印紙税額は、次のとおりです。
契約書に記載された金額 | 印紙税額 |
1万円未満 | 非課税 |
1万円以上10万円以下 | 200円 |
10万円超50万円以下 | 400円 |
50万円超100万円以下 | 1,000円 |
100万円超500万円以下 | 2,000円 |
500万円超1,000万円以下 | 1万円 |
1,000万円超5,000万円以下 | 2万円 |
5,000万円超1億円以下 | 6万円 |
1億円超5億円以下 | 10万円 |
5億円超10億円以下 | 20万円 |
10億円超50億円以下 | 40万円 |
50億円超 | 60万円 |
契約金額の記載がないもの | 200円 |
不動産の譲渡契約書には、2027年3月31日まで軽減措置があります。対象となる場合は、上記の本則税額より低い税額が適用されます。
参考:No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで|国税庁 新しいタブで開く
第2号文書|請負契約書・請負型の業務委託契約書
第2号文書は、仕事の完成に対して報酬を支払う請負契約を証明する文書です。工事請負契約書、物品加工契約書、広告制作契約書などが該当します。
「業務委託契約書」という名称でも、成果物の完成を目的とする場合は、請負契約として課税対象になる可能性があります。一方、事務処理やコンサルティングなど、業務の遂行を目的とする委任・準委任型の契約は、原則として第2号文書に該当しません。
第2号文書の印紙税額は、次のとおりです。
契約書に記載された金額 | 印紙税額 |
1万円未満 | 非課税 |
1万円以上100万円以下 | 200円 |
100万円超200万円以下 | 400円 |
200万円超300万円以下 | 1,000円 |
300万円超500万円以下 | 2,000円 |
500万円超1,000万円以下 | 1万円 |
1,000万円超5,000万円以下 | 2万円 |
5,000万円超1億円以下 | 6万円 |
1億円超5億円以下 | 10万円 |
5億円超10億円以下 | 20万円 |
10億円超50億円以下 | 40万円 |
50億円超 | 60万円 |
契約金額の記載がないもの | 200円 |
建設工事の請負契約書には、2027年3月31日まで軽減措置があります。ただし、設計契約や機械の保守契約などは、単独では軽減措置の対象になりません。
参考:No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで|国税庁 新しいタブで開く
第5号文書|合併・会社分割に関する契約書
第5号文書には、会社法または保険業法に基づく合併契約書が該当します。会社法に規定された吸収分割契約書や新設分割計画書も対象です。
事業譲渡契約書は、第5号文書ではありません。内容が営業や不動産、知的財産権などの譲渡を証明する場合は、第1号文書に該当する可能性があります。
対象となる文書 | 印紙税額 |
・合併契約書 ・吸収分割契約書 ・新設分割計画書 | 4万円 |
税額は契約金額にかかわらず、1通につき4万円です。契約書を複数通作成し、それぞれを原本として保管する場合は、原則として各文書が課税対象になります。
参考:No.7141 印紙税額の一覧表(その2)第5号文書から第20号文書まで|国税庁 新しいタブで開く
第7号文書|継続的取引の基本契約書
第7号文書は、特定の相手方と継続的に取引するため、共通の取引条件を定める契約書です。売買取引基本契約書、下請基本契約書、代理店契約書などが該当します。
ただし、継続的な取引を定めていれば、すべて第7号文書になるわけではありません。対象となる取引の種類や、契約書で定める事項は法令で限定されています。
契約条件 | 印紙税額 |
契約期間が3か月以内で、更新の定めがない | 第7号文書としては課税されない |
上記以外で第7号文書の要件を満たす | 4,000円 |
第7号文書に該当しなくても、請負や運送に関する個別契約の成立を証明している場合は、第1号または第2号文書として課税される可能性があります。
参考:No.7104 継続的取引の基本となる契約書|国税庁 新しいタブで開く
第12号文書|信託契約書
第12号文書は、財産を受託者へ移転し、一定の目的に従って管理・処分してもらう信託行為に関する契約書です。契約書だけでなく、信託証書も含まれます。
対象となる文書 | 印紙税額 |
信託行為に関する契約書・信託証書 | 200円 |
行政庁の認可を受けた一定の公益信託に関する文書 | 非課税 |
第12号文書は、信託財産の金額にかかわらず、原則として1通200円です。信託契約の内容に不動産譲渡などの課税事項が含まれる場合は、文書全体の内容から所属する号を判断します。
第13号文書|債務保証契約書
第13号文書は、主たる債務者が債務を履行しない場合に、保証人が代わって履行する契約を証明する文書です。
対象となる文書 | 印紙税額 |
独立して作成された債務保証契約書 | 200円 |
主たる債務の契約書に保証内容を併記したもの | 第13号文書から除外 |
身元保証ニ関スル法律に定める身元保証契約書 | 非課税 |
金銭消費貸借契約書に保証条項を記載した場合は、第13号文書ではなく、主たる契約に応じて課税関係を判断します。一般的な保証契約書は、保証する債務額にかかわらず1通200円です。ただし、契約書にほかの課税事項が含まれる場合は、別の号へ所属する可能性があります。
第14号文書|金銭・有価証券の寄託契約書
第14号文書は、金銭や有価証券を相手方へ預け、保管を委託する契約書です。金融機関などへ有価証券を預ける契約が代表例となります。
対象となる文書 | 印紙税額 |
・金銭の寄託に関する契約書 ・有価証券の寄託に関する契約書 | 200円 |
印紙税額は、寄託する金額にかかわらず1通200円です。物品や不動産の寄託・保管を定める文書は、第14号文書には該当しません。ただし、保管業務の完成に対して報酬を支払う内容など、ほかの課税事項が含まれる場合は、文書全体から判断する必要があります。
第15号文書|債権譲渡・債務引受契約書
第15号文書は、債権を第三者へ移転する契約や、第三者が債務を引き受ける契約を証明する文書です。
契約書に記載された金額 | 印紙税額 |
1万円未満 | 非課税 |
1万円以上 | 200円 |
契約金額の記載がないもの | 200円 |
債権譲渡契約書に不動産や知的財産権などの譲渡も記載されている場合は、複数の課税事項を含む文書となります。どの号へ所属するかは、印紙税法上のルールに従って判定します。
契約書の印紙税を判断する5つのポイント
契約書が同じ種類でも、記載方法や作成目的によって印紙税額は変わります。文書名や表題だけで判断せず、契約内容と金額の記載方法を確認しましょう。
ここでは、実務で間違いやすい5つのポイントを解説します。
1. 消費税額が明確なら税抜金額で判定できる場合がある
第1号文書と第2号文書および第17号文書では、消費税額等が明確に区分されていれば、税抜金額を印紙税の記載金額として扱えます。
たとえば、軽減措置の対象ではない請負契約書に「請負金額1,100万円、うち消費税額等100万円」と記載した場合、記載金額は1,000万円です。この場合の印紙税額は1万円となります。
この取扱いが適用されるのは、消費税額等が区分記載されている次の文書に限られます。
第1号文書
第2号文書
第17号文書
免税事業者には、この取扱いが原則として適用されないため注意しましょう。
参考:No.7124 消費税額等が区分記載された契約書等の記載金額|国税庁 新しいタブで開く
2. 契約金額の記載がなければ200円になる場合がある
第1号文書、第2号文書、第15号文書は、契約金額の記載がない場合の印紙税額は原則として1通200円です。
ただし、本文に総額が書かれていなくても、単価と数量から契約金額を計算できる場合などは、計算した金額で判定します。
「金額を書かなければ印紙税が不要になる」とはならないため、注意しましょう。
参考:No.7122 文書の記載金額|国税庁 新しいタブで開く
3. 不動産譲渡・建設工事の契約書には軽減措置がある
2027年3月31日までに作成される一定の不動産譲渡契約書と建設工事請負契約書には、印紙税の軽減措置があります。
主な対象条件は次のとおりです。
対象となる契約書 | 軽減措置の対象となる記載金額 |
不動産の譲渡契約書 | 10万円超 |
建設工事の請負契約書 | 100万円超 |
変更契約書や補充契約書でも、不動産の譲渡や建設工事の請負を証明する文書であれば、軽減措置の対象になる可能性があります。
参考:No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置|国税庁 新しいタブで開く
4. 変更契約書・覚書も課税対象になり得る
印紙税法上の契約書には、契約の成立を証明する文書だけでなく、契約内容の変更や補充を証明する文書も含まれます。
そのため、「変更契約書」「覚書」「確認書」といった名称でも、契約金額や支払条件などの重要事項を変更する場合は課税対象になり得ます。
解約した事実だけを証明する解約合意書は、原則として課税対象になりません。ただし、解約金の支払いなど別の課税事項が記載されている場合は、個別に判断が必要です。
参考:No.7123 契約金額を変更する契約書の記載金額|国税庁 新しいタブで開く
5. 委任契約書・秘密保持契約書は原則として印紙不要
一般的な委任契約書や秘密保持契約書は、印紙税法で定める20種類の課税文書に該当しないため、原則として収入印紙は不要です。
ただし、契約書の名称だけでは判断できません。業務委託契約書が成果物の完成を目的としていれば、第2号文書に該当する可能性があります。秘密保持契約書についても、知的財産権の譲渡や有償の成果物作成などが記載されている場合は、課税文書となる可能性があります。
判断が難しい場合は、契約書の現物を用意し、所轄税務署や税理士へ確認しましょう。
契約書の印紙トラブルを防ぐ4つのポイント
印紙税のトラブルを防ぐには、税額だけでなく、作成通数や消印方法も管理する必要があります。契約締結前に確認する項目を決め、担当者による判断のばらつきを減らしましょう。
1. 印紙代の負担者を決めておく
共同で契約書を作成した場合、契約当事者は印紙税を連帯して納める義務を負います。一方、当事者のうち誰が印紙代を実際に負担するかは、協議によって決められます。
実務では、自社保管分の契約書に貼る収入印紙を、それぞれが負担する方法が一般的です。当事者間の合意により、一方が全額を負担する場合もあります。
契約締結の直前になって負担者が決まっていないと、発送の遅れや貼り忘れにつながります。契約書の作成通数とあわせて、印紙の購入・貼付を担当する当事者を決めておきましょう。
参考:課税文書の作成時期及び作成者|国税庁 新しいタブで開く
2. 契約成立を証明する契約書には1通ごとに貼る
同じ内容の契約書を2通作成し、双方が原本として1通ずつ保管する場合は、原則として2通とも課税対象です。
「正本」「副本」「写し」といった表示だけでは、課税対象かどうかは決まりません。各文書が契約の成立や内容を証明する目的で作成されたかが判断基準です。たとえば、双方が署名・押印した契約書を2通作成した場合は、通常、両方に収入印紙が必要です。
3. コピー・写しは契約成立を証明するかで判断する
原本を複写機でコピーしただけの文書は、通常、印紙税の課税対象になりません。電子メールで受け取った契約書を、閲覧や社内保管のために印刷した場合も同様です。
一方、次のようなコピーや写しは課税対象になる可能性があります。
契約当事者双方の署名や押印がある
文書の所持者ではない相手方の署名や押印がある
「原本と相違ない」などの原本証明がある
契約の成立を証明する目的で相手方へ交付される
コピーという表示があっても、契約上の証明力を持たせている場合は注意が必要です。
参考:No.7120 契約書の写し、副本、謄本等|国税庁 新しいタブで開く
4. 収入印紙を貼り、正しく消印する
収入印紙によって納税する場合は、必要額の印紙を貼るだけでなく、再利用を防ぐための消印が必要です。
消印は、契約書と収入印紙の模様部分にまたがるように行います。契約時に使用した印鑑と同じである必要はありません。担当者の認印や氏名・役職を示すゴム印、自筆の署名も使用できます。
共同で作成した契約書でも、全員が消印する必要はありません。作成者やその代理人、従業員などのうち1人が消印すれば足ります。
斜線を引くだけの処理や、「印」とだけ記載したものは、適切な消印とは認められません。鉛筆など、簡単に消せる筆記具も避けましょう。
収入印紙の貼り忘れ・金額間違い・消印漏れの影響と対処
収入印紙を貼り忘れたり、必要額より少ない印紙を貼ったりすると、過怠税が徴収される可能性があります。
貼り忘れに気づいた場合は、そのまま放置せず、所轄税務署へ早めに相談しましょう。貼りすぎた場合も、一定の手続きにより還付を受けられる可能性があります。
収入印紙を貼り忘れても契約自体は無効にならない
収入印紙の貼り忘れは、印紙税の納付に関する問題です。契約の成立要件とは異なるため、貼り忘れだけを理由に契約が直ちに無効になるわけではありません。一般に、法令で特別な方式が定められている場合を除き、契約は当事者の意思が合致した時点で成立します。
ただし、印紙税の納付義務は残ります。税務調査で不納付を指摘された場合は、過怠税が徴収される可能性があるため、契約の有効性とは分けて対応しましょう。
貼り忘れ・金額不足は原則として不足額の3倍の過怠税がかかる
課税文書の作成時までに印紙税を納付しなかった場合は、原則として未納額の3倍に相当する過怠税が徴収されます。たとえば、本来必要な印紙税額が1,000円だった場合は、3,000円の過怠税がかかります。
過怠税は法人税の損金や所得税の必要経費に算入できない点にも注意しましょう。
参考:No.7131 印紙税を納めなかったとき|国税庁 新しいタブで開く
一定の自主申出なら過怠税が不足額の1.1倍に軽減される
税務調査で指摘される前に不納付を申し出た場合は、過怠税が未納額の1.1倍に軽減される可能性があります。軽減を受けるには、所轄税務署長へ「印紙税不納付事実申出書」を提出します。
契約書を相手方へ渡したあとに貼り忘れへ気づいた場合も、自己判断で収入印紙を追加するだけではなく、所轄税務署へ対応方法を確認しましょう。
収入印紙を貼りすぎた場合は還付を申請できる
必要額を超える収入印紙を貼った場合は、印紙税の過誤納として還付を受けられる可能性があります。課税文書ではない委任契約書などへ誤って貼った場合や、収入印紙を貼ったものの相手方へ交付せず、使用しなかった課税文書も還付対象になり得ます。契約成立後に解除・取消しとなった契約書は、原則として対象になりません。
申請時は、次の書類を納税地の所轄税務署へ提出しましょう。
印紙税過誤納確認申請(兼充当請求)書
収入印紙を貼った文書の現物
収入印紙を契約書から剥がしたり、印紙部分だけを切り取ったりしてはいけません。還付請求権は原則として5年で消滅するため、早めに手続きを進めましょう。
参考:No.7130 誤って納付した印紙税の還付|国税庁 新しいタブで開く
消印漏れは印紙額相当の過怠税がかかる
必要額の収入印紙を貼っていても、適切に消印していなければ過怠税の対象になります。消印漏れに対する過怠税は、消印されていない収入印紙の額面相当額です。たとえば、4,000円の収入印紙に消印していなかった場合は、4,000円の過怠税が徴収されます。
複数枚の収入印紙を貼る場合は、すべてに消印がかかっているか確認しましょう。契約書の発送前に、券種、合計額、貼付、消印をまとめて確認できるチェック欄を設ける方法も有効です。
電子契約には収入印紙が不要
紙の課税文書を作成せず、契約手続きが電磁的記録のみで完結する電子契約には、原則として収入印紙が必要ありません。印紙税の対象は、印紙税法の課税物件表に定められた「文書」です。PDFなどの電磁的記録は、この文書に含まれないとされています。
対象となる契約を電子化すると、印紙代だけでなく、次の業務負担も削減できます。
収入印紙の購入と在庫管理
契約書ごとの税額確認
収入印紙の貼付と消印
契約書の印刷・製本
郵送と返送状況の確認
紙原本のファイリングと検索
電子契約として締結したデータを、閲覧や社内保管のために印刷しただけなら、通常は収入印紙が不要です。ただし、印刷物へ署名・押印し、契約の原本として相手方へ交付した場合は、紙の課税文書を作成したと判断される可能性があります。個別の取扱いは、契約書の内容や作成・交付方法を示して、所轄税務署や税理士などの専門家へ確認してください。
参考:取引先にメール送信した電磁的記録に関する印紙税の取扱い|国税庁 新しいタブで開く
電子化に着手しやすい契約書4選
すべての契約書を一度に電子化するのが難しい場合は、件数や印紙代、管理工数を基準に対象を絞りましょう。
定型的な契約書や作成頻度の高い書類から始めると、削減効果を把握しやすくなります。ここでは、電子化に着手しやすい契約書を4つ紹介します。
1. 請負契約書・請負型の業務委託契約書|削減効果を把握しやすい
請負契約書や請負型の業務委託契約書は、契約金額に応じて200円から60万円の印紙税がかかります。契約件数と1通当たりの税額が明確なため、電子化による削減効果を試算しやすい書類です。
たとえば、印紙税額1,000円の請負契約書を年間100件電子化した場合、単純計算で年間10万円の印紙代を削減できます。さらに、契約書の印刷、製本、郵送、返送確認もオンライン化できます。取引先や支店との契約が多い企業では、締結までの時間短縮も見込めるでしょう。
契約件数、印紙税額、郵送費、処理時間を集計し、削減できる費用を可視化する方法がおすすめです。
2. 継続的取引の基本契約書|1通4,000円の削減効果が見込める
第7号文書に該当する継続的取引の基本契約書は、原則として1通4,000円の印紙税がかかります。
取引先が増えると作成件数も増え、更新や契約内容の変更も発生します。契約管理機能を備えたシステムで電子化すれば、印紙代に加え、契約状況や更新期限を確認する業務も効率化できます。
契約期間、自動更新の有無、取引先名などを検索・通知できる状態で管理すれば、更新漏れや古い契約書を参照するリスクも抑えやすくなります。
3. 注文書・注文請書|受発注業務を効率化しやすい
単なる注文書は、通常、契約の申込みを証明する書類であるため、印紙税の課税対象になりません。
ただし、注文請書は申込みに対する承諾を示し、契約成立を証明する文書です。請負契約の内容を証明していれば、第2号文書に該当する可能性があります。注文書でも、双方の署名や押印がある場合などは課税対象になり得ます。
印紙税が生じない注文書も、電子化するメリットがあります。注文内容や承認履歴を一元管理すれば、次のような対応を進めやすくなるためです。
注文から承諾までの進捗確認
契約内容と請求内容の照合
電子取引データの保存
税務調査時の書類検索
権限に応じた閲覧範囲の管理
注文書と注文請書を同じ仕組みで扱えば、印紙税の有無にかかわらず、受発注業務全体のガバナンスを整えやすくなるでしょう。
参考:No.7118 申込書、注文書、依頼書等と表示された文書の取扱い|国税庁 新しいタブで開く
4. 秘密保持契約書・委任契約書|印紙不要でも一元管理しやすい
秘密保持契約書や一般的な委任契約書は、原則として収入印紙が不要です。それでも、電子化による管理面のメリットがあります。
秘密保持契約書は、取引開始前に短期間で締結する機会が多く、担当部署ごとに保管されやすい書類です。委任契約書も、契約期間や報酬、担当業務の範囲を確認する場面があります。
電子化によって契約書を一元管理すれば、必要な文書を探す時間を短縮できます。契約の締結状況や有効期間、最新版も確認しやすくなるでしょう。
印紙税の削減額だけで対象を決めず、作成件数や検索頻度、保管状況も含めて優先順位を付けることが大切です。
契約書の印紙に関するよくある質問
ここでは、契約書の収入印紙について、実務上よくある質問に回答します。
Q1. 注文書や注文請書に収入印紙は必要ですか?
単なる注文書は、通常、契約の申込みを証明する文書です。申込みだけでは契約の成立を証明しないため、原則として収入印紙は必要ありません。
一方、注文請書は注文を承諾した事実を示すため、契約書に該当する可能性があります。工事や物品加工などの請負契約を証明する注文請書は、第2号文書として印紙税の対象になり得ます。
また、注文書でも次のような場合は、契約成立を証明する文書と判断される可能性があります。
契約当事者双方の署名・押印がある
基本契約により、注文だけで契約が成立する
相手方の見積書に基づく申込みである
注文書自体に承諾の記載がある
書類の名称ではなく、契約成立を証明する内容かどうかで判断しましょう。
Q2. 海外企業との契約書に収入印紙は必要ですか?
海外企業との契約書でも、日本国内で課税文書が作成された場合は、印紙税の対象になる可能性があります。
判断のポイントは、取引先の所在地ではなく、課税文書がいつ、どこで作成されたかです。双方が署名する契約書では、一般に最後の署名によって意思の合致が証明された場所が重要になります。
たとえば、海外企業が署名した契約書を日本へ送り、日本企業が国内で最後に署名して意思の合致を証明した場合は、日本国内で作成された課税文書として扱われる可能性があります。後から作成場所を確認できるよう、契約書への記載や関連記録を残しておきましょう。
Q3. 電子契約書を印刷すると収入印紙は必要ですか?
電子契約として締結した契約書を、閲覧や社内保管のために印刷しただけなら、通常、収入印紙は必要ありません。電子契約の原本は電磁的記録であり、印刷物は単なる写しだからです。印刷しただけで、新たな紙の課税文書を作成したことにはなりません。
一方、印刷した契約書へ改めて署名・押印し、その紙を契約成立の原本として相手方へ交付する場合は、課税文書に該当する可能性があります。
電子契約で印紙管理を効率化するならDocusign
紙の契約書では、課税区分や印紙税額の確認に加え、収入印紙の購入、在庫管理、貼付、消印などの業務が発生します。郵送や原本保管まで含めると、契約件数が多い企業ほど負担が大きくなります。
Docusign eSignatureでは、契約書の送信から署名、保管までをオンラインで進められます。契約の進捗状況や署名済み文書を管理画面で確認でき、監査証跡や完了証明書も保存可能です。
電子化によって削減できる印紙費用や管理工数は、契約書の種類、課税区分、年間の作成件数などによって異なります。現在の契約業務や紙の使用状況を整理したうえで、電子化の範囲や導入方法をDocusignの営業担当へ相談できます。
紙の契約にかかる印紙費用や管理負担をどの程度見直せるか知りたい方は、Docusignの担当者へご相談ください。
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