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地銀再編は「信頼再編」へ。 契約の透明性が地域経済を牽引する

Author Yuki Okatake
Yuki Okatakeコンテンツマーケティングマネージャー|Docusign Blog 編集担当
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地銀再編が加速しています。2025年3月時点で地銀は97行あり、1990年から約3割減少しています。PMIの過程で、契約管理や承認・稟議プロセスの分断による内部監査の不備は、信頼を左右する大きな課題です。本記事では、契約を中心とした地銀再編へのポイントを解説。契約のデジタル化を支えるDocusignの役割も紹介していきます。

地銀再編は信頼再編へ

加速する地銀再編と金融統合の現在地

地方経済の縮小や収益環境の悪化を背景に、各地で地方銀行の再編が加速しています。例えば、2023年に完了したふくおかFGによる福岡中央銀行の株式交換による完全子会社化や、グループ内の垣根を取り払い、各種連携協定やバックオフィス業務の共同化を目指すほくほくFGの取り組みなど、再編の動きは止まりません。事実、2025年3月時点で地銀は97行となり、1990年から約3割減少しました。再編後の統合プロセスを計画・実行する各行のPMI(Post Merger Integration)は、スピードと確実性が求められます。

地域の金融サービスの提供において、最も重要な資産は「信頼」です。地元企業や住民から信頼される金融機関であることが、統合後の銀行の存続と発展の条件となります。実際、山口フィナンシャルグループは、「地域に選ばれ、地域の信頼に応える」をビジョンに掲げています。

地域の信頼を損なわずに金融統合を成し遂げるには、内部の業務体制から見直す必要があります。その中核となるのが、「契約管理の一元化」による承認プロセスの透明性の確保です。これは、統合後のスムーズな監査やガバナンス整備に直結します。

契約管理・承認フローの分断が招く監査不備と信頼の低下

統合後、多くの銀行は契約管理・稟議・決裁フローの一本化が必要になります。しかし、業務の進め方が異なる銀行同士では、旧システムや紙帳票を中心とした管理がなされがちです。契約情報が銀行や部門ごとに散在していると、グループ会社として全体像の把握や監査が困難になります。

PMIに起因する内部統制のほころびは、後工程でデータ不整合が発生しやすくなります。そして、監査遅延や説明責任の欠如につながりかねません。加えて、承認権限の重複や曖昧さにつけ込んだ不正行為が見逃される。コンプライアンス違反につながる契約がチェックから漏れるなどリスクも大きくなります。

金融庁や株主からガバナンス低下の指摘を受ければ、銀行への信頼低下は避けられません。信頼を基盤とする地方銀行にとって、契約・承認プロセスの分断の放置は致命的な課題と言えるでしょう。

実際、持株会社制を採用する地銀再編では、「傘下行が別々に運用を手がける」こともあります。これが地銀の統合効果を阻む一因となるケースもあります。統合による相乗効果を発揮するためには、契約業務を含む「バックオフィスの一体化」が必要です。これにより、内部監査の網羅性を高められれば、地域社会からの信頼を得ることができるでしょう。

契約データと権限の可視化で内部統制と地域の信頼を強化

契約の透明性は、契約書の作成やレビュー・承認・締結・保管・更新といったライフサイクル全体で管理されることが前提となります。そして、誰がどの権限で判断・承認したかを説明できることが重要です。

地銀の統合に必要なのは、単に電子契約ソリューションを導入することではありません。「契約全体を統合して説明できる状態」を構築することが重要になります。契約情報を集約し可視化することは、以下の2つの側面で統合効果を発揮します。

地銀統合に伴う契約管理体制の構築は、組織の安全性を高める「守り」と、業務を加速させる「攻め」の両面で大きなメリットを生み出します。

1. ガバナンスの強化(守りの契約管理)

透明性の高い管理体制は、以下のような内部統制を実現し、統合による組織の変化に左右されない「守りの基盤」を構築します。

  • 内部統制の強化:部門を横断して契約の履行状況を可視化することで、業務の無駄や不備を早期に発見・是正できます。

  • 適切なアクセス権限の維持:「誰がどの権限で承認したか」を明確に記録します。人事異動や組織変更が多く行われる統合後でも、アクセス管理が徹底され、情報漏えいや不正を未然に防ぎます。

  • 監査対応の円滑化:契約データの正確な記録・保管により、内部監査がスムーズに機能し、金融機関としての社会的信用と地域社会からの信頼を盤石なものにします。

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2. 審査プロセスの標準化(攻めの契約管理)

デジタル化によるプロセスの標準化は、以下のような効果を発揮し、統合のシナジーを最大化する「攻めの基盤」を構築します。

  • ワークフローのデジタル化:統合する銀行間で異なっていた審査フローやデータ収集プロセスを、システム上で一元化します。

  • 自動連携による効率化:顧客の入力データを自動でシステム連携させ、ガイドに沿ったワークフローを構築することで人為的なミスの現象や事務作業の大幅削減が可能です。

  • 融資業務の質とスピード向上:プロセスの標準化により、非財務情報の活用が容易になります。その結果、意思決定のスピードが上がり、顧客への迅速な融資実行と質の高い提案が可能になります。

統合プロセスの要となる本人確認の強化と真正性の確保

契約業務のデジタル化は、銀行の経営統合に伴って避けて通れないハードルといえます。特に、統合する銀行間で「顧客の本人確認基準」や「業務フロー」が異なると、統合後のオペレーションに大きな混乱を招きます。

デジタル化は業務効率を飛躍的に高めますが、「リモート環境で契約相手の本人確認をどう担保するか」という課題にも対処が必要です。統合された新体制において、セキュリティレベルを統一し、署名者の真正性を確保することは急務です。

Docusign ID Verification」は、この課題をスマートに解決します。Docusign ID Verificationは、Docusignの電子署名プロセスに強力なオンライン本人確認機能を備えるソリューションです。本人確認作業をデジタル化し、契約業務全体の効率化とセキュリティ強化を同時に実現します。

昨今、多くの人が持つ運転免許証やマイナンバーカードは、公的なIDや顔写真として活用されています。これらをアップロードすると、システムがそれらを照合して本人確認を行います(「ホ」方式に準拠)。オンラインでの厳格な本人確認は、単なる手続きの利便性が向上するだけではありません。企業の信頼性を高め法令遵守を確実にするためにも重要なシステムです。

特に金融機関は、「犯罪収益移転防止法に基づく顧客本人確認義務」が課されています。Docusign ID Verificationを活用することで、契約締結と本人確認を一体化し、その要件に対応することができます。

契約締結が非対面で行われる時代において、Docusign ID Verificationによる裏付けは信頼維持の要となります。オンラインによる本人確認ができれば、契約相手が本当に本人かという不安を払拭できます。これが契約における真正性の確保につながるでしょう。

実際、海外の金融機関では、このID Verificationの活用によって劇的な成果を上げています。米国ワシントン州職員信用組合(WSECU)では、Docusign ID Verificationを導入して融資プロセスを完全デジタル化しました。その結果、従来は店舗への来店が必要だった本人確認を数秒で完了させ、融資実行までの時間を大幅に短縮しています。

これは内部のガバナンス強化だけにとどまりません。顧客や取引先に対しても「この銀行はデジタル契約でも厳格な本人確認を行っている」という安心感を醸成します。利便性と安全性を両立したサービスとして評価されれば、統合した地銀への信頼も一層高まります。

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まとめ:地銀再編=信頼再編、契約透明性が成功の鍵

地銀再編は「信頼」の再編でもあります。契約管理の一元化とデジタル化なくして統合の成功はないでしょう。Docusign ID Verificationは、非対面契約時代に欠かせない本人確認をオンラインで実現します。そして、契約そのものの真正性を保証するなど、あらゆる面から契約業務の最適化を図っています。

また、契約ライフサイクル全体をカバーする「Docusign CLM」や「Web Forms」を組み合わせることで、データ収集から契約生成、保管までを一気通貫でデジタル化できます。これにより、業務プロセス自体を「型化」し、地域経済を支える融資業務の高度化にも貢献します。Docusignソリューションは、契約の透明性を高め、地方銀行のPMI成功と地域からの揺るぎない信頼確保に貢献していきます。


##出典

Author Yuki Okatake
Yuki Okatakeコンテンツマーケティングマネージャー|Docusign Blog 編集担当

新卒でSalesforceに入社し、コンテンツ/ブランド/イベントマーケティングに従事。顧客事例やブログの編集、フィールドイベントの設計・運営を担当。2025年よりDocusignでContent Marketing Managerとして、日本市場向けコンテンツの戦略立案・編集・制作(ローカライズ含む)を担い、インテリジェント契約管理(IAM)の価値をわかりやすく発信。

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