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テレワーク最前線シリーズ1:きちんと理解できていますか? - テレワークの基礎知識

安達 智洋
安達 智洋シニア・コンテンツ・マーケティング・マネージャー
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働き方改革やBCP(事業継続計画)の普及、また新型コロナウイルス感染防止の観点から、テレワークを導入する企業が増えています。皆さんは「テレワーク」の意味を理解していますか?今回のブログではテレワークの基礎知識から導入までの流れと注意したいポイントについて解説します。

    • テレワークの定義、理解していますか?
      • テレワーク導入の流れ
        • テレワーク導入におけるポイント
        • まとめ

      目次

      テレワーク最前線シリーズ1a

      政府主導の「働き方改革」や「BCP(事業継続計画)」の普及、また新型コロナウイルス感染防止の観点から、テレワークを導入する企業が増えています。

      そこで、本ブログを含め5回にわたり、テレワークの最前線をご紹介したいと思います。まず第1回目は、「きちんと理解できていますか? - テレワークの基礎知識」です。

      改めてになりますが、この「テレワーク」という言葉。本当の意味を理解していますか?

      似たような言葉として、リモートワーク在宅勤務などがありますが、特に区別なく使っている方も多いかもしれません。普段の会話では、特に使い分ける必要はないかもしれませんが、社内導入を進める際の議論の場、あるいは導入後の運用の場面では、きちんと使い分けないとゴールのイメージが人によって異なり、意見がまとまらなかったり、想定外の方向に進んでしまったりするおそれがあります。

      そこで今回は、まずテレワークとは何かを改めて解説し、その導入の進め方とポイントについて解説していきます。

      テレワークの定義、理解していますか?

      日本国内におけるテレワークの推進や普及活動に取り組んでいる日本テレワーク協会は、テレワークを「情報通信技術(ICT)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方」と定義し、具体的な働き方として、在宅勤務・モバイルワーク・サテライトオフィス勤務の3形態を挙げています。

      参考:一般社団法人 日本テレワーク協会「テレワークとは」

      • 在宅勤務:自宅に備えられている PC およびインターネット環境から業務システムに接続し、オフィス内の社員や他の在宅勤務者とコミュニケーションを取りながら業務を遂行する

      • モバイルワーク:客先や移動中にノートパソコンやスマートデバイス(スマートフォンやタブレット端末)を使用して業務を遂行する

      • サテライトオフィス勤務:勤務先以外のオフィススペースで、パソコンなどの機器を使用して業務を遂行する

      したがって、テレワークと在宅勤務の違いは、在宅勤務はテレワークの3形態の1つであり、テレワークの方が意味が広いということになります。

      では、テレワークとリモートワークの違いは何でしょうか?

      実は、「テレ(tele)」も「リモート(remote)」も日本語にすると「遠隔」という意味で、この2つの言葉にはっきりした区別はありません。リモートワークは働き方に関わらずオフィス外で働くという広い意味、テレワークは在宅勤務・モバイルワーク・サテライトオフィス勤務の3形態の総称と捉えておけば良いでしょう。

      テレワークの定義

      ところで、テレワークに必要なものといえば、パソコンなどの端末機器とWi-Fiルーターやインターネット接続ルーターなどの通信機器(通信機器については、「5Gで変わる働き方」をご参照ください)です。テレワーカーは、端末機器から通信機器を経由して業務システムに“外部から”接続することになりますから、社内から接続する以上に強固なセキュリティが求められます(セキュリティ確保のポイントは後述します)。

      テレワーク導入の流れ

      次に、テレワークの導入の大まかな流れを説明します。

      1. 導入の企画

      導入の目的を明確化したうえで、導入推進体制を定義し、経営企画部門、人事総務部門、情報システム部門、そして導入対象部門でテレワークの導入に向けたチームを編成します。ここで、導入対象部門の参画は欠かせません。

      総務省の「平成29年通信利用動向調査」によれば、主なテレワークの導入目的は、定型的業務の生産性向上、勤務者の移動時間の短縮、通勤困難者への対応、勤務者のゆとりと健康生活、人材の雇用確保・流出の防止となっています。

      推進体制においては、導入対象部門のトップにリーダーになってもらうことが重要です。現場部門のトップ自らのリーダーシップによりスムーズなテレワーク導入が期待できます。

      1. 現行業務の分析

      業務時間、使用文書、システム、個人情報、業務上のコミュニケーションなどの現状を把握します。

      テレワークを実施するにあたっては、普段使用している文書のデジタル化も必要になってくるでしょう。具体的には、契約書や発注書、内定通知など社内外のやり取りに使われている書類をリストアップします。

      1. 導入する業務の切り分け

      現行業務が把握できたら、それらを大きく3つに分類します。

      ① ICT機器を導入すれば、現状のままでも導入可能な業務

      メールのやりとりや電話会議などの業務が該当します。ただし外部からのアクセスが発生するので、セキュリティ対策は必須です。

      ② 何らかの対策を施せば導入可能な業務

      ツール等を導入することによってテレワークが可能になる業務です。社内外の会議、労務管理、契約や受発注などが該当します。

      代表的な対策としてコミュニケーションツールやWeb会議システムの導入が挙げられます。また、顧客とのやりとりや社内承認が必要な業務をテレワークに対応させるのであれば、ドキュサインのような電子署名のサービスも必要になってきます。

      例えば、契約書や発注書、見積書といった顧客とのやり取りに使用する文書や、稟議書、勤務報告書などの社内文書は、電子署名を導入することにより、場所にとらわれることなく契約・承認プロセスを進めることができます。効率とセキュリティを両立させることも可能です。

      また、日本の場合は社外・社内を問わず、書類に印鑑が必要な場面が多くありますが、ドキュサインでは署名イメージだけではなく電子印鑑を利用することができます。

      ③ テレワークで対応できない業務

      工場での製造や接客などが該当します。しかし5Gを活用した工場のスマート化や無人店舗等が普及してくると、これらの業務でも将来的にはテレワークが可能になるかもしれません。

      1. 対象者の選定と勤務形態の検討

      導入に向けては対象者の選定も重要です。多くの会社では、育児・介護などを担う従業員や外回りの営業職を最初の導入対象にするようです。ただし一部の従業員を特別扱いすることによる不公平感を避けるためにも、なるべく早い段階で対象範囲を拡げたり、事前に対象範囲のロードマップを明示したりといった工夫が必要です。

      在宅勤務、モバイルワークおよびサテライトオフィス勤務のどの形態を導入するのか、あるいは混在させるのか、部分在宅にするのか終日在宅にするのか、在宅勤務の頻度はどうするのかなども決定します。

      対象者や勤務形態が決定したら、労務管理制度を見直すことも必要になります。

      1. 必要なICT機器とツールの選定

      テレワークを導入する場合、いずれにしてもICT機器の導入が必要になります。その際にはセキュリティの担保が必須です。これには、いくつかのポイントがあります。

      • 単純にインターネット経由で接続するのではなく、VPN (Virtual Private Network) という仕組みを利用して、外から通信データが見えないようにする

      • 仮想デスクトップ方式(VDI)などを採用し、端末機器に業務データを保存しないようにする

      • 社内のサーバーに直接接続するのではなく、クラウド上にテレワーク業務に限定した環境を構築する(VDIもこの一種)

      • できる限り会社側で機器を用意し従業員に貸与する

      • 従業員の私物を利用する場合には、利用ルールを明確にし、利用実態をきっちり把握する

      1. テスト導入・本番稼働

      本番稼働に先駆けてはテスト導入を実施し、様々な指標で評価する必要があります。評価の観点としては、顧客対応(顧客対応時間、顧客満足度など)、業務効率(残業時間、事務処理件数と時間など)、コスト(オフィス、紙代、印刷代、移動、通信など)、人材関連(従業員満足度、リクルート、離職者数、働き方への満足度、社員の生活の質など)、コミュニケーション(頻度・質など)が挙げられます。

      これらの指標を総合評価した上で、稼働範囲を明確にして本番稼働に臨みます。本番稼働後も、上記の指標をモニタリングして評価し、優先度をつけて課題解決しながら徐々に稼働範囲を拡げていきます。

      テレワーク導入におけるポイント

      テレワーク最前線シリーズ1b

      テレワークを導入する際に注意すべき重要なポイントは、労務管理をどうするか、ということです。まずは、就業規則や労働契約など法務面の整備が必要になってきます。

      次に勤務実態を把握する仕組みが必要になります。日本の多くの企業では、日給月給制を取り入れていますので、欠勤・遅刻・早退などの時間を管理し、給与の支給額から控除しなければなりません。逆に従業員が業務過多で健康を損なった場合に会社側の責任を問われることもありえます。いずれにしても、しっかりした勤怠管理が必要です。

      また、業務進捗管理やテレワーカーが不利にならない公正な業務評価も重要なポイントです。

      労務管理については、厚生労働省が、労務管理のコンサルタントを3回まで無償で全国各地に派遣する制度を提供していますので、このような制度も賢く利用しましょう。

      テレワークの導入に際し、人事部をはじめとした管理部門が注意しておきたいポイントは「ルール作り?勤怠管理?テレワークで人事が注意しなければならない3つのこと」も合わせてご覧ください。

      参考:厚生労働省 テレワーク総合ポータルサイト

      まとめ

      テレワークは、会社にとっては従業員の交通費やオフィススペースコストの削減、ペーパーレスの推進、非常時の事業継続など様々なメリットがあります。また従業員にとっても通勤時間や疲労によるストレスの削減、育児や介護の充実、余暇の増大、生活スタイルの多様化など数多くのメリットがあります。

      ただし、情報セキュリティや労務管理、業績評価など導入にあたって気をつけたいポイントに十分留意して、ビジネスに差し支えが出たり、従業員に不利なことが起こらないようにしたりすることが大切です。

      政府主導で「働き方改革」を推進している昨今、国や自治体からテレワーク推進のために利用できる助成金等もいくつか用意されています。これらを上手に利用して、テレワークへの第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか?また、既に一部の部署や業務で導入している場合は、対象の拡大や見直しに助成金などを利用してみてはいかがでしょうか?

      次回は、テレワークをはじめる際に利用可能な助成金や補助金をご紹介します。

      無料でドキュサインの電子署名を試す →

      ▶︎▶︎▶︎テレワーク最前線シリーズ◀︎◀︎◀︎

      テレワーク最前線シリーズでは、テレワークの基礎知識から助成金や補助金、アドバイス事業などを活用して賢くテレワークを始める方法、またテレワークを成功させるために気をつけたいポイントなどをご紹介しています。

      1. きちんと理解できていますか? – テレワークの基礎知識

      2. 助成金・補助金の活用ですぐに始めるテレワーク

      3. IT担当者がいなくても始められるテレワーク

      4. 「テレワークあるある」から考える「真の働き方改革」とは?

      5. テレワーク時代の先を考える - 注目のワーケーション

      安達 智洋
      安達 智洋シニア・コンテンツ・マーケティング・マネージャー
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