
Docusign Maestroとは?契約業務をコード不要で自動化する革新的ワークフロー機能を徹底解説
Docusignが提供するインテリジェント契約管理システム(IAM)の主要機能であるDocusign Maestroが、ついに日本でのサービスを開始しました。本稿では、IAM for CX に含まれるこの革新的なワークフロー機能、Docusign Maestroについて詳しく解説します。

Docusign Maestroとは
Docusign Maestroは、インテリジェント契約管理システム(IAM)の主要機能で、Docusignの多様な機能や外部アプリケーションとの連携を可能にする強力なワークフロー機能です。これにより、複雑な契約プロセスを、コードを一行も書くことなく、業務ニーズに合わせて簡単に構築できます。 契約業務のデジタル化における課題 一般的に、契約に関連する業務プロセスのデジタル化は、他の業務プロセスと比較して遅れている現状があります。契約の意思表示から、必要な情報の収集、本人確認、契約書の作成、社内承認、署名、そして適切な保管に至るまでの一連のプロセスには、依然として多くの手作業や紙のプロセスが残っており、これが業務効率化の大きなボトルネックとなっています。
Docusign Maestroは、これらの課題をシンプルに解決します。コードを一行も書くことなく、業務に即したステップを組み合わせることで、契約に関連する様々な処理を簡単に1つのフローに結びつけることができるのです。
Maestroのステップ:標準と拡張
Maestroでは、複数のステップを連結して1つのワークフローを構築します。これらのステップは、「標準ステップ」と「拡張ステップ」の2種類に分類されます。

標準ステップ
標準ステップは、Maestroに初期搭載されている基本的な機能です。リリース時点では、以下のようなステップが含まれています。
Webフォームでのデータ収集
分岐ルールの追加
確認画面の表示
メール送信
運転免許証やマイナンバーカード読み取りによる本人確認
署名の取得 (eSignature)
その他多数
各ステップの詳細については Maestroマニュアル をご確認ください。
拡張ステップ
拡張ステップは、Docusign App Centerを通じて追加できる機能です。App Centerには、様々なサードパーティ製アプリケーションとの連携を可能にするステップが用意されており、これらをインストールすることで、Maestroのワークフロー内に外部アプリの機能を容易に組み込むことができます。

現時点では、例えば以下のような拡張ステップが利用可能です。
Salesforceとのデータ連携(書き込み/読み出し)
Microsoft Dynamics 365とのデータ連携(書き込み/読み出し)
ServiceNowでのレコード作成/更新
Stripeへのユーザー情報登録
主要クラウドストレージサービス(Google Drive, SharePoint, OneDrive, Box, Dropbox)へのファイル保存

ユースケース例
Maestroは、アイデア次第で多岐にわたるユースケースに活用できます。代表的な例をいくつかご紹介します。
サービスの申込プロセス自動化: 顧客がWebフォームから必要な情報を入力し、本人確認を完了すると、契約書が自動的に送信され、署名後にBoxなどのクラウドストレージに格納されるといった一連のフローを自動化できます。営業担当者が顧客情報を入力するトリガーでフローを開始することも可能です。
新入社員のオンボーディング: 人事担当者が新入社員の基本情報を入力すると、新入社員自身が追加情報を入力するフォームが送信され、入力内容に応じて必要な書類が自動的に割り当て・作成・送付され、署名・保存までを自動で行います。
顧客情報の修正: 顧客から正確な情報を収集し、免許証やマイナンバーカードによる本人確認を行い、その結果をCRMに自動的に反映させることができます。
上記はほんの一例です。その他のユースケースについては、ユースケースガイド(英語)もご参照ください。
その他 Tips
フローを開始する方法は現状で5つのパターンがあります。リンクからの開始、手動での開始、APIでの開始、そして特定の契約やフローの完了をトリガーとするイベントトリガーなどがあります。
ワークフローには、必ずしも電子署名のステップを含める必要はありません。
Maestroで利用するフォームは、従来のWebFormsとは異なり、スタンドアロンのフォームです。エンベロープテンプレートと直接紐づいていません。
よく使われるいくつかの類型のフローはWorkflow Templateとして提供される予定ですが、現状は北米でのリリースが先行しており、日本での正式サポートが待たれます。
触ってみたい!と思ったら
Docusign Maestroは、Developer Sandbox環境にて、どなたでもお試しいただけます。ぜひ、この機会にMaestroの可能性をご体験ください。(※Sandbox環境では、免許証による本人確認等、一部ご利用いただけないステップがあります。) 実際の使い方や設定方法については、Docusign University のeLearningコースから、Docusign Maestroで契約ワークフローを作成するのコース(日本語) をぜひ受講してみてください。こちらは無償の、30分程度の自習型オンラインコースとなっております。 まとめ Maestroは今後次々にリリースされていく Docusign IAM ポートフォリオの中核となる機能です。またこれから更なる機能拡張の予定も多くありますので、ぜひお早めにお試しいただき、その便利さを実感しながら、これからのMaestroの進化にもご注目ください!

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