
契約管理AIで営業サイクルを短縮する方法——商談の停滞を防ぐ3つのアプローチ
契約書を単なる保管文書から、検索・分析が可能なインテリジェントな資産へと変革すると、日々の事務作業から解放され、収益拡大に集中できるようになります。この記事では、Docusignのインテリジェント契約管理プラットフォーム(IAM)で営業サイクルを短縮する方法をご紹介します。

この記事のポイント: 契約書の検索・確認・作成に時間がかかり、商談が翌月・翌四半期へずれ込んでいないでしょうか。本記事では、AIを活用した契約管理の効率化により、営業サイクルを短縮するための具体的なアプローチをご紹介します。営業部門、法務部門、IT部門の方にお読みいただきたい内容です。
営業担当者が探すべきは「書類」ではなく「新たな顧客」
営業担当者の本来の使命は、見込み客の開拓です。
しかし実際には、契約書の旧バージョンをスクロールしたり、スキャンされたPDFファイルから価格上限を探したり、最新の基本契約書(MSA:Master Services Agreement)がどこに保存されているかを確認したりと、書類探しに多くの時間を費やしています。
「書類探しに費やされる時間は、売上には一切つながりません。チーム全体で見ると、日々失われる時間と労力はかなりの量に膨らみます」と、Docusignの担当者であるAmanda Pearsonは語っています。
DocusignとDeloitteの共同調査によると、40%もの企業が、契約書の可視化不足により獲得可能な収益機会を逃していることが明らかになっています(調査レポートはこちら)。その理由は、契約データが可視化されていないという単純なものです。契約データが静的なファイルの中に閉じ込められたままでは、収益向上の機会をみすみす逃しかねません。
Docusignがどのようにして営業担当者を書類探しから解放し、顧客対応に集中できるよう支援するのかをご紹介します。
契約業務の非効率が商談を遅らせる
営業担当者が契約情報に簡単にアクセスできない場合、ほんの3分で済むはずの作業が、数時間にわたる問題に発展するケースも珍しくありません。こうした生産性の低下が組織全体に広がると、情報のサイロ化が進み、事業拡大やアップセルのきっかけとなる重要な情報が、既存の契約書に埋もれたままになってしまいます。
「アップセルのシグナルや更新のきっかけは、署名済みの契約書の中に眠っています。しかし、そのデータが契約書ファイル内に埋もれたままでは、データに基づいた拡大施策を打つことができません」とPearsonは指摘します。
こうした契約条件や取引履歴などの関連情報にすぐアクセスできないと、商談は四半期末に停滞して翌期へ先送り(期ズレ)される要因になります。一度停滞した商談を無理に進めようとして安易な値引きに頼ることになれば、長期的な利益率の低下を招きかねません。
契約インテリジェンスの新時代:Docusign Iris
こうした契約情報の可視化不足を解消するには、企業の契約管理の複雑さに対応できる専用のAI基盤が必要です。汎用AIモデルはテキストの要約や契約書のひな型作成には活用できますが、企業の契約管理に求められる業務文脈を理解する力が不足しています。
Docusignのインテリジェント契約管理プラットフォーム(IAM)を支えるAIエンジン「Docusign Iris」は、契約領域に特化して構築されており、次の3つの特長を軸に、契約ライフサイクル全体を支援します。
契約分野の専門知識
Docusignは、20年以上にわたって蓄積してきた契約分野の専門知識を基盤としています。支配権の変更条項(チェンジ・オブ・コントロール)や段階的な料金体系(ティアベース・プライシング)といった特定の条項が、事業収益や法的義務にとってどのような意味を持つのかを深く理解しています。「Irisは単に『支配権変更』や『値上げ』という用語を読み取るだけではなく、その用語が企業の収益や契約上の義務にどのような影響を及ぼすのかを実際に理解しているのです」(Pearson)。
大規模な契約管理への対応
Irisは、複数の地域、言語、製品ラインにわたる何千件もの複雑な契約を処理するように設計されています。個々の契約と、より広範な企業ポリシーや基本契約書との関連性を理解します。
セキュリティとコンプライアンスへの取り組み
Docusignは、グローバル企業の厳格なセキュリティとコンプライアンス基準を満たすように開発されています。アクセス制御や監査機能を通じて、お客様が契約データのガバナンスとセキュリティを管理できる環境を提供します。
Docusign Agreement Manager:締結後の契約管理を変革する
Irisは、インテリジェント契約管理プラットフォーム(IAM)全体の契約インテリジェンスを支えていますが、その真価が特に発揮されるのは契約締結後です。
Docusign Agreement Managerは、署名・締結後の契約管理業務を自動化するインテリジェントな一元管理基盤です。
Irisが支払条件や有効期限などの主要な情報を自動的に抽出・分析することで、Agreement Managerは構造化されていないPDFを、検索・活用が可能なデータに変換します。
以下の3つの新機能(現在、USでのみ利用可能となっており、日本向けには公開準備中です)は、Agreement Manager内のIrisがプラットフォームの中核へと進化していることを示しています。
※機能の最新状況については、Docusignの担当チームにお問い合わせください。
1. AIを活用した複数契約書の一括分析
M&A(企業買収)や制度変更など、迅速かつ重大な判断が求められる局面を想定して構築されています。1度に最大1万件の契約書を対象に、特定のデータを即座に抽出・比較できます。緊急対応が求められる場面でも数分で必要な情報を見つけ出せるため、営業担当者は一件ずつ契約書を読み込む必要がなくなり、本来の営業活動に集中できます。
2. 契約階層の自動整理と分析
大規模な顧客を管理するには、基本契約書(MSA)、個別契約書、変更覚書といった複雑な契約階層を正確に把握することが不可欠です。Irisを利用すれば、これらの契約文書の関係が自動的に紐付けされ、その顧客との取引に現在適用されている条項をリアルタイムで把握できます。
3. 契約分野に特化したAIアシスタント
従来のチャットボットとは異なり、Irisでは営業担当者が特定の締結済み契約に焦点を当てたチャットセッションを安全に開始できます。たとえば、複雑な条項をわかりやすく整理したり、四半期ごとのビジネスレビューの前に過去の特別条件や値引き履歴を要約したりすることが可能です。こうした準備を経ることで、営業企画部門や法務部門に都度確認することなく、商談を加速するための次のアクション——たとえばひな型から新規契約書を作成する——を迅速に実行できます。
契約のインサイトから営業アクションへ
上記の機能を組み合わせることで、複雑な営業上の課題をリアルタイムで解決できます。たとえば、Irisを活用して署名済みの契約書を横断的にスキャンし、有利な条件を持つ戦略的パートナーを迅速に特定して、アップセル・クロスセル施策の糸口とすることが可能です。
Agreement Manager内のIrisは、手動での契約追跡からAIを活用した効率的な契約管理へとワークフローを転換します。古い契約書から条文をコピー&ペーストする代わりに、事前承認済みのひな型を活用し、わずか数クリックで署名可能な契約書を作成できます。このアプローチにより、スピーディーな対応とコンプライアンスの両立が可能になり、営業チームは管理作業より商談成立に集中できるようになります。

導入効果:営業サイクルが1週間短縮
インテリジェント契約管理プラットフォーム(IAM)を活用して契約管理ワークフローを効率化している企業では、すでに目に見える運用改善が報告されています。
非営利団体向けファンドレイジング管理プラットフォームを提供するKindsight社は、以前は複数の分断されたシステム間で顧客契約を管理していました。その結果、営業サイクルが長期化し、顧客ごとの契約状況を正確に把握しにくい状態が続いていました。
同社は、IAMの導入によりSalesforce内での契約書作成、ノーコードの承認ワークフロー、締結済み契約書のAI分析を一体化し、契約管理プロセスを変革しました。KindsightのITディレクターであるKris O'Brien(クリス・オブライエン)氏は次のように述べています。
「すべての契約書が一元的に閲覧でき、AIで詳細な分析も可能です。営業の観点では、商談成立までの期間が少なくとも1週間は短縮されたと感じています」
Kindsightは米国の非営利団体向けソフトウェア企業であり、業種や企業規模は日本の大企業とは異なります。しかし、「CRMから契約書を作成し、複数部門の承認を経て締結・管理する」というプロセス上の課題は、多くの営業組織に共通するものです。
次のステップ
契約書を単なる保管文書から、検索・分析が可能なインテリジェントな資産へと変革することで、営業チームは事務作業から解放され、本来の営業活動と収益拡大に集中できるようになります。
契約管理の効率化による営業サイクルの短縮について詳しくは、Docusign IAM 営業部門向けソリューションをご覧ください。

Docusign IAMは、ビジネスに欠かせない契約プラットフォームです



