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【課題解決】契約ライフサイクル管理(CLM)で法務・業務・システム部門の効率化を実現

Author ドキュサイン
ドキュサイン
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金融機関の契約業務は、属人化・情報探索コスト・法対応の負担といった課題が潜んでいます。契約ライフサイクル管理(CLM)の導入は、契約の起案から承認、締結、更新、保管までを一元管理し、業務効率とコンプライアンスを両立します。金融機関の契約業務が抱える課題と解決策としてのCLM活用シナリオを紹介します。

目次

金融機関が扱う契約業務の課題

金融業界では、日々重要な契約文書のやりとりが行われています。特に、金融機関のバックオフィス業務では、厳格なコンプライアンスと高い精度が要求されるため、そこにはさまざまな課題もはらんでいます。

▼手作業の残存と属人化の影響

金融業界の契約業務は、紙の契約書、Excelで作成された台帳、メールによる承認フローが主流である業務も存在します。そのため、作業が属人的になり、担当者が異動や退職してしまうと業務が停滞するリスクを抱えています。「誰が」「いつ」「どのような」判断をしたかが分からない状態は、業務を的確に遂行する観点やコンプライアンスの観点からも大きな問題になりつつあります。

▼契約書の保管管理と探索コスト

契約書の保管場所が部門ごとに異なり、紙とデジタルが混在している状況である金融機関は少なくありません。そのため、担当者が契約書の有効期限や契約条件の変更履歴を調べるために、何時間も過去のメールやファイルサーバーを探し回るケースも見受けられます。

このような「情報探索コスト」が積み重なれば、必然的に企業全体の生産性に悪影響を及ぼしてしまいます。監査やトラブル対応の際、証拠資料の提示に時間がかかれば、信用の毀損や行政指導といった事態にもつながりかねません。

▼法改正対応とガイドライン遵守の負担

「金融商品取引法」や「電子帳簿保存法」、「マネーロンダリング対策指針」など、金融業界の制度改正やガイドラインは定期的に更新されます。そのため、契約の書式やフローは、常に最新の運用にしておかなければなりません。こうした対応も含めて、さまざまな契約業務を手作業で行っている場合は、改定事項の反映漏れなどのリスクを抱えています。

「契約に関する管理体制と記録保持の適切性」は、金融庁による審査対象のポイントでもあります。そのため、契約業務は単なる事務作業ではなく信頼性に直結する経営基盤であるといえます。

金融機関の契約業務を改善するために押さえるべきポイント

  • 契約プロセスの可視化と現状把握

  • 契約フォーマット・承認フローの統一

  • アクセス権限管理とセキュリティ対策

  • 契約データの一元管理と検索性向上

  • 契約期限・更新の自動化

  • 内部統制・監査対応の強化

金融機関の契約業務における課題を解消するためのポイントはどこにあるのでしょうか。非効率な業務を改善し、業務の属人性を解消するなど、業務全体を効率化し標準化するために必要な要素についてみていきましょう。 ▼契約プロセスの可視化と現状把握

まずは、契約業務の手順や方法を可視化することが必要です。起案からレビュー、承認、締結、保管、更新といったフェーズごとに、関係者や手段や必要な時間、決裁基準などを明示しましょう。加えて、業務フロー図やプロセスマップという形で可視化していけば、改善すべきポイントが明確になります。

▼契約業務に関わるフォーマットの統一

誰もが同じ手順で契約業務を進められる状態にするためには、契約書の書式、レビュー手順、承認フローをあらかじめ定型化しておくことが重要です。部署や担当者ごとに手順や方法が変わると、ミスや遅延が発生しやすくなります。契約の起案テンプレートやレビュー項目を統一しておけば、法務部門や審査部門の負担も軽減されるでしょう。

▼アクセス管理とセキュリティ対策

契約書は高度な機密性を有する情報になるため、アクセス権限は厳格に管理しなければなりません。「誰が」「どの文書に」「どのタイミング」でアクセスできるかを制御したうえで、確実にアクセスログを記録する仕組みが必要です。ダウンロード制限や透かし機能も、外部への誤送信・誤共有を防ぐ効果が見込めます。

▼デジタル化による契約データの一元管理で検索性向上

契約に関するあらゆる情報をデジタル化し、一元的に管理できるようにすることで、キーワードやメタデータによる検索を可能にします。「更新日」、「相手先」、「契約種別」、「有効期間」で絞り込み検索を可能にすれば、目的の契約書を素早く見つけられることができるようになり、業務効率が飛躍的に向上させることができます。

▼契約期限や更新管理の自動化

契約の有効期限や更新手続きに関するアラート機能があれば、契約の更新忘れを防ぎ、担当者の負担も軽減できます。特に、数百件〜数千件の契約を管理する企業にとっては不可欠な機能です。

▼内部統制・監査対応の強化

契約の進捗状況、文書改定履歴、承認者、署名者などの操作履歴を全件保存し、監査時に提示できる体制を整えることで、内部統制の強化が図れます。金融庁・監査法人・内部監査部門といった第三者からの照会に即応できる体制は、信頼性のある企業運営の必須条件です。

契約ライフサイクル管理とは?

契約ライフサイクル管理(CLM:Contract Lifecycle Management)は、契約の起案から承認、締結、履行、更新、そして破棄までのすべてのステップを一元的かつ体系的に管理するアプローチです。これまで多くの契約管理は、文書の作成・確認・承認・署名・保存といった工程が個別に行われ、かつ異なる部署や異なるシステムで管理されてきました。これにより、情報の断絶・重複・更新漏れが起き、業務の属人化と非効率が深刻な問題となっていました。

CLMはこうした分断をなくし、すべての契約情報を「1つの流れ」として捉え、管理・最適化を可能にする仕組みです。CLM導入による具体的メリットは以下になります。 ▼業務スピードの向上

テンプレートや自動ワークフローを活用することで、契約締結までの期間を大幅に短縮するとともに、案件の機会損失を防ぎます。

▼コンプライアンス強化

標準フォーマットや必須条項の適用により、契約の抜け・漏れを排除し、リスクを低減します。

▼契約書の一元管理

契約書を1カ所で管理し、全文検索やタグ付けにより、必要な情報に即時アクセスできるようになります。監査対応や法令対応にも有効です。

▼属人性の排除と標準化

誰が担当しても同じ品質・スピードで契約処理を進められる体制を構築し、人事異動や退職の影響を最小化します。

▼多部門間の連携強化

営業、法務、経理、情報システム、経営層が共通のシステムを利用すれば、進捗やステータスの把握が容易になり、コミュニケーション効率も格段に向上します。

契約DXの第一歩としての電子署名、そしてCLMへ

金融機関における契約業務のDXは、まずどこから手をつけるべきでしょうか。 多くの企業が最初のステップとして着手し、大きな効果を上げているのが、契約プロセスの「署名」部分を電子化する「電子署名(eSignature)」の導入です。

実際に、決済・金融領域の先進企業も、電子署名の導入によって業務効率とコンプライアンスを大きく向上させています。

  • ソフトバンク・ペイメント・サービス株式会社様 オンライン決済事業の成長に伴い、契約業務の生産性向上が課題でした。Docusignの電子署名を導入することで、契約締結までのリードタイムを大幅に短縮し、事業成長を加速させています。 事例の詳細はこちら

  • 株式会社Paidy様 急速な事業拡大に伴い、契約業務のガバナンス強化が急務でした。Docusignの電子署名を導入し、セキュリティとコンプライアンスを担保した効率的な契約プロセスを構築されています。 事例の詳細はこちら

このように、契約プロセスの「点」である署名を電子化するだけでも、絶大な効果が期待できます。そして、この「点」の効率化を、契約書の作成から保管・管理といった契約全体の「線」へと発展させ、業務全体の最適化を実現するのが、「契約ライフサイクル管理(CLM)」なのです。

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契約業務のライフサイクル全体の効率化と自動化を実現する「Docusign CLM」

Docusignが提供する契約ライフサイクル管理「Docusign CLM」は、金融機関に必要な柔軟性・信頼性・スケーラビリティを兼ね備えています。金融業界における主な活用シナリオとしては次のようなものが想定されます。 ▼新規契約締結時の効率化

営業部門が契約起案を行い、法務・審査・役員承認といった複雑なフローが自動で進行します。進捗状況が可視化され、承認の遅れが発生した場合もリアルタイムに把握可能です。

▼更新・再契約のアラート自動化

契約満了日を自動追跡し、更新交渉が必要なタイミングで関係者に通知できるため、更新忘れや交渉機会の逸失を防ぎます。

▼グローバル契約の統一管理

多言語対応、多通貨契約にも対応しており、海外拠点との契約も本社で一括管理が可能です。国際的なガバナンス強化にもつながります。

▼内部統制・監査対応の効率化

操作履歴、承認記録、署名ログなどを全件自動で記録します。監査法人や監督当局からの照会にも対応ができるようになっています。 ▼業務システム連携による省力化

ERPやCRMと連携させることで、マスタ情報や顧客情報を自動で契約フォームに反映できます。二重入力の削減と整合性の向上を同時に実現可能です。

そのほか、Docusign CLMには以下のような特徴があります。

  • ノーコードで柔軟に設計可能なワークフロー

  • テンプレート管理とコンプライアンス強制機能

  • 自動通知・アラート機能

  • モバイル対応・クラウド環境での即時利用

  • セキュアなアクセス管理と監査ログ保存

  • 国内法・国際基準に基づく法的適格性(電子帳簿保存法、GDPRなど)

こうした機能により、Docusign CLMは契約業務の「見える化」「自動化」「高信頼化」を実現し、契約という重要なビジネス文書の管理を、的確にコントロールすることができます。

金融機関における契約業務は、コンプライアンスに直結する中核プロセスです。Docusign CLMのような高度なソリューションを活用すれば、業務の質やスピード、透明性の向上だけでなく、法令対応、ガバナンス強化も実現することができます。 戦略的な経営インフラともいえる契約管理業務の変革に向けて、Docisugn CLMの導入を本格的に検討してみてはいかがでしょうか。

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