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導入事例
Hero Image Metro Credit Union、Docusign IAMで会員体験を革新 契約プロセス自動化で業務効率を90%改善
金融サービス

Metro Credit Union、Docusign IAMで会員体験を革新 契約プロセス自動化で業務効率を90%改善

ソリューションの影響

75%
最初の4週間での運用効率の上昇率
90%
機能強化後に職員の作業時間が月50時間から5時間に短縮
600以上
完全自動化された月次自動引き落とし登録件数

使用されている製品

インテリジェント契約管理システム(IAM)Maestro

顧客体験を次の競争軸へ:Metroの変革ビジョン

Metro Credit Unionの最高執行責任者兼最高戦略責任者として着任したTraci Michel氏には、明確なビジョンがありました。それは「顧客がもっと簡単に利用でき、職員がよりスムーズに支援できる金融機関をつくる」というもの。単なる業務改善ではなく、組織全体の体験価値を底上げする挑戦でした。マサチューセッツ州最大の州公認クレジットユニオンとして、Metroは20万人を超える組合員と34億ドルの資産を有しています。しかし、提供する商品や金利は近隣の銀行・クレジットユニオンと大きく変わらず、Michel氏は「顧客体験」こそが次の競争領域だと考えました。 「Metroの商品自体は他行とほとんど差がありません。だからこそ、利用体験で選ばれる存在を目指す必要がありました」と同氏は振り返ります。新規会員登録から契約、サポートに至るまで、あらゆる接点で“手間や待ち時間”をなくすこと。Michel氏はそれを実現するために、Docusignの信頼性と先進性に着目しました。「トップクラスの金融機関と並ぶ体験を提供するには、信頼できるテクノロジーパートナーとの連携が欠かせません。Docusignはその理想的なパートナーでした」と語ります。

「この取り組みをさらに大きく発展させる構想を描き始めています。Docusignを活用することで、会員のオンボーディングやコミュニケーションをより効果的にし、当社ならではの差別化された体験を生み出していきたいと考えています。」

Author Traci Michel
Traci Michel最高執行責任者兼最高戦略責任者, Metro Credit Union

成約時の“ひと手間”が成長のボトルネックに

Metroでは、間接型の自動車ローンが急速に成長しており、多くの契約が地元ディーラーの店頭で組まれています。多くの借り手にとって、これがクレジットユニオンとの最初の接点です。 「最初の契約プロセスをスムーズに進めることができれば、将来的に関係を広げる可能性が高まります」とMichel氏は説明します。

当時、MetroはすでにDocusign PowerFormsを導入し、紙やスキャンを廃止していました。しかし、フォームに入力されたデータはロックされ、基幹システムであるFiserv DNAベースの銀行システムCOCCに手動で再入力する必要がありました。月に600件を超える処理をわずかな人数で対応する中、1件あたり数分の作業でも積み重なれば膨大な工数に。「この再入力作業が、拡大スピードを妨げる最大の要因でした」とMichel氏は振り返ります。

ノーコードでフロントとバックをつなぐ――Docusign IAMがもたらした突破口

Metroは、デジタル化されたフロントエンドと、手動作業が残るバックエンドの間に生じる断絶に直面していました。開発リソースの不足もあり、内部でのシステム連携には限界がありました。そのとき導入を決めたのが、Docusign IAM(インテリジェント契約管理システム)プラットフォームです。IAMに搭載されたDocusign MaestroGlyue™(システム間データ連携ツール)を活用し、フロントとバックの両プロセスをノーコードで統合。これにより、組合員がDocusign経由で送信する支払いデータが、Metroの基幹システムに自動で反映されるようになりました。

「組合員が『送信』ボタンを押した瞬間に、自動引き落とし設定が完了します。スタッフは“処理する人”ではなく、“監督する人”としての役割に変わりました」とMichel氏。

さらに、データが双方向に流れるようになり、契約文書の自動入力も実現。ヒューマンエラーを削減し、全員の時間を節約できるようになりました。 「IAMへの移行によってデータのロックを解除でき、エコシステム全体からアクセスできるようになりました。また、Docusignの堅牢なセキュリティ機能のおかげで、会員情報を安全に扱えるという安心感も得られました」と語ります。

登録手続きのスピードが飛躍的に向上、作業時間を90%削減

IAM導入の効果は即座に現れました。登録処理のスピードが大幅に向上し、エラーは減少。月50時間かかっていた手作業は、わずか5時間にまで削減されました。 「稼働から4週間以内に運用効率が75%向上し、現在はその数値を90%に引き上げるべく強化を進めています」とMichel氏は語ります。また、数字に表れない変化も生まれています。「職員は煩雑な手作業から解放され、より価値の高い業務に時間を使えるようになりました。結果として、組合員満足度の向上に直接つながっています。」

次なる展開:最初の接点から信頼を生む体験へ

Metroが次に目指すのは、顧客ファネルの最上流──ディーラーの金融デスクにおける初回接客体験の進化です。Michel氏のチームは、QRコードとSMSを活用した新たなワークフローを設計。借り手がその場で登録・署名・自動引き落とし設定まで完結できる仕組みを構築しました。 「この体験は、競合他社との差別化を一瞬で実感できるものです」と同氏は語ります。しかし、Metroが重視しているのはスピードだけではありません。 「最初の接点から信頼を築くことが、長期的な関係構築の基盤になります。今後はこの取り組みをさらに拡大し、組合員登録からコミュニケーションまでをより効果的に進化させ、Docusignと共に“体験そのもの”を差別化要素へと高めていきたいと考えています。」

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