知っておくと便利!契約書の作り方を詳しく解説
契約書の正しい作り方をご存知でしょうか?秘密保持契約や売買契約、雇用契約など、ビジネスではさまざまな契約書に出会うことが多い一方で、その作り方はそれほど広く知られていません。そこで本記事では、契約書における文面の記載方法や形式などを、項目ごとに詳しく解説していきます。
企業同士あるいは企業と個人間で製品や商品を売買したり、社外に業務を委託する場面で、しばしば契約書を作成します。契約書は、当事者間で契約内容を確認し、両者の権利と義務を明らかにする効果があります。そのため、作成の際は契約内容の理解に齟齬が生じないよう、文面を正確かつ簡潔に記載する必要があります。そこで本記事では、契約書の記載内容を項目ごとに解説し、それぞれの役割や書き方について説明していきます。
なぜ契約書を正しく作成するべきなのか?
「契約」という言葉を聞くと、署名や捺印のされた契約書をイメージされる方も多いでしょう。しかし、契約の際、必ずしも書面化された「契約書」が求められるわけではありません。契約に関する基本原則※1では、契約は自由な方式で締結することが認められています。そのため、保証契約等一部を除き、契約書を作成する必要はなく、記載内容についても特別な定めはありません。
ただし、記載内容に不備があったり、曖昧な文言が使われていたりすれば、契約上のトラブルを引き起こすこともあり得ます。そのため契約書は、一定の形式に則り、明確な文言を用いて作成するのが良いでしょう。
契約書の作り方を詳しく解説
それでは、以下で契約書の一般的な形式について、項目ごとに解説します。
タイトル(表題)
契約書のタイトルは、契約が何のために締結されるのかを端的に示す役割があります。そのため、できるだけ簡潔で契約内容に沿ったタイトルを付ける必要があります。
例)取引基本契約書、秘密保持契約書、業務委託契約書、雇用契約書、売買契約書
前文
前文は、「誰と誰が」「何のために」契約を締結するのかを表す文章です。契約の当事者や概要、主目的を明確にし、契約の全体像を示す役割があります。一般的には、タイトルの直下に記載されます。
前文では、多くの場合、契約の当事者が「甲・乙」と定義され、それ以降、甲・乙として記載する旨が示されます。また、契約の当事者が3名以上になる場合、「丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」と、十干が上から順に用いられます。
本文
契約の目的や適用範囲、両当事者の権利・義務の詳細について箇条書きで記載されます。また本文は、法律の条文と似た「条」「項」「号」の形式でまとめられることが多くあります。
条は、箇条書きの一項目のことです。「第一条」「第二条」と項目を立てて、順を追って契約内容を記載していきます。条の内容を細かく区分する場合には、改行し、さらに箇条書きで記載します。このとき箇条書きした内容が項です。
また、条または項のなかで、いくつかの事項を記す場合には、「一、二、三」という漢数字を付して事項を列記します。これが号です。
後文
契約書の末尾に記載されます。契約書の本文が終わることを示す役割があり、一般的には、契約書原本の作成部数やその保管方法などについて記載されます。
例)本契約締結の証として本書●通を作成し、甲乙が署名押印のうえ、各自その1通を保管する。
日付
いつ契約を締結したのかわかるように契約書の締結日を記載します。契約書の締結日は、契約内容がいつから有効になるかなど、契約の効果と直結する場合もあることから、正確に記載する必要があります。
署名(記名)
契約の当事者を特定し、両当事者の契約への合意を明らかにするため、両当事者(または代理人)が署名(記名)します。当事者が個人でなく法人の場合は、法人名、法人所在地、法人の代表者名などが記載されます。
また、署名(記名)にあわせて、捺印(押印)を求めるのも一般的です。ハンコの捺印(押印)は、契約成立の必須要件ではありません※2。そのため省略も可能ですが、契約書の法的な証明力を高める効果があることから、しばしば捺印(押印)が求められることもあります。なお、法人の場合は一般的に角印が使われます。
負担の少ない契約書の運用方法を確立するには
契約書における記載の漏れや不備は、契約上のトラブルのもとになります。不要なトラブルを避けるためにも、適切な形式や明確な文言を用いて契約書を作成することが大切です。また、より正確を期すために、作成した契約書について、社内の法務部やパートナーの弁護士などにレビューを受けることも重要でしょう。
また、契約書に関する注意点は記載内容に限りません。一度、ひな形を作成した契約書であっても、契約先が変わるたびに、記載内容には細かな変更が生じます。ひな形は契約書の作成の手間や時間を短縮できる便利性を備えていますが、それに伴う、記載の不備のリスクは拭えません。また、契約書を紙で運用している場合、整理や保管の手間も要します。契約書を利用するにあたっては、正確な文面での作成はもちろん、負担の少ない運用方法を確立するのも重要です。特に最近では、電子契約を導入する企業・組織が増えており、運用負荷を大きく抑える取り組みも進んでいます。
例えば、ドキュサインの電子署名を活用することで紙の契約書を簡単に電子化することができます。テンプレート機能によって、文書のひな形や署名順序、メールの件名/本文などの設定を保存することができ、利用頻度の高い契約書の準備や送信プロセスを合理化することができます。また、署名済みの契約書はクラウド上で一元管理でき、日時やメールアドレス、IPアドレスなどの監査証跡を正確に残すことも可能です。
さらに、Salesforceと連携させることで、Salesforceから契約先のデータを取り込み、自動で契約書を作成することができます。これにより、契約プロセスの省力化や入力の誤りといったエラーの削減につながります。
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