ISO(国際標準化機構)とは? ISOを取得する意義やメリットを解説
多くの企業が取得するISO(国際標準化機構)。アイエスオー、イソ、アイソなどと呼ばれていますが、一体どういったものなのでしょうか。本記事ではISOの基礎知識や認証取得のメリット、また複数のISOを取得しているドキュサインの特長についてご紹介します。
ビジネスのなかで「ISO」を目にする機会は多くあります。建設、製造、小売、ITなど、ISOは幅広い業種の企業で認証取得され、日々のビジネスに活用されています。では、そもそもISOとはいったいどういったものなのでしょうか。本記事では、ISOの基礎知識や種類、認証を取得するメリットについて紹介します。「ISOってなぜ必要なの?」という疑問を持つ方には必見の内容です。
ISO(国際標準化機構)とは?
ISOとは、 International Organization for Standardization(国際標準化機構)の略称で、日本を含む世界各国に存在する165の標準化組織から構成される非政府組織です(※1)。設立は、1947年2月23日。ロンドンの土木工学研究所に集まった25カ国の代表者が中心となって設立され、スイス・ジュネーブに本部を設置しています。
ISOの目的は、工業製品や技術、食品安全、農業、医療など、さまざまな分野において世界共通の基準を定め、標準化を進めることで国際貿易の発展に寄与することです。そのため、国際的な標準である国際規格(IS: international standard) を発行し、世界への普及を図っています。2021年5月現在、発行した国際規格は約23,900種類。また、毎月約100種類のペースで、新たな国際規格を発行しています。この国際規格がISO規格であり、一般的に規格自体を「ISO」と呼称しています。
ISOにはどんな種類がある?
ISOは「モノ規格」と「マネジメント規格」の2種類に大別されます(※2)。「モノ規格」とは、ある製品自体に定められた国際規格です。代表的なものとして、案内標識・看板(ISO7001/ISO7010)が挙げられます。私たちが日常的によく目にする「トイレのマーク」や「非常口のマーク」「駐車場のマーク」などは、国際的に標準化された規格で作成されています。
ISOの国際規格で作成された案内標識・看板(出典:パブリックドメインQ)
そのほか、クレジットカードやキャッシュカードのサイズ(ISO/IEC7810)、A4やA5といった用紙のサイズ(ISO0216)もモノ規格として国際規格となっています。
一方、「マネジメント規格」は、組織を適切に運営するための「仕組み」を規格化したものです。具体的には、企業の役職を体系化して権限や責任を明確化する職制や、作業工程といった業務の手順などを規格化しています。マネジメント規格の種類としては、以下のようなものが挙げられます。
ISO 9001 (品質マネジメントシステム)
ISO 9001 は最も普及しているマネジメントシステムの1つで、一貫した製品やサービスの提供を実現し、顧客満足の向上を図ることを目的としています。認証取得により、業務効率化や組織体制の強化、業務の見える化、KPI管理の実現などの効果が得られます。
ISO 14001 (環境マネジメントシステム)
環境保護や環境に関する遵守義務の徹底などを実現するマネジメントシステムです。企業活動による環境リスクの低減や、省エネルギーによるコスト削減、環境に関する法令遵守などの効果が得られます。
ISO 20000 (ITサービスマネジメントシステム)
ITSM(ITサービスマネジメント:ITサービスを提供する企業が行うべきマネジメント)を適切に実施・維持・改善するためのマネジメントシステムで、提供するITサービスの内容やリスクを明確化し、品質の向上やサービス改善などが実現できます。
ISO 22000/FSSC 22000 (食品安全マネジメントシステム)
食品製造や食品サービスに関わる企業などを対象としたマネジメントシステムで、衛生管理などを強化し、食品の安全に関するリスクの低減や安全なフードサプライチェーンの構築を実現します。
ISO 27001 (情報セキュリティマネジメントシステム)
適切な情報セキュリティ体制を確立し、情報セキュリティに関するリスクを低減させるマネジメントシステムです。情報の機密性だけでなく、情報を正確かつ最新の状態で管理する「情報の完全性」や、情報を利用しやすい状態で管理する「情報の可用性」もバランスよく実施し、情報の有効活用を可能にします。
ISOを認証取得するメリットとは?
では、こうした国際規格を認証取得するメリットとは何なのでしょうか。ISOは認証取得のメリットとして、以下の5点を挙げています (※3)。
競争力の高い製品を提供できる
世界的に標準化された規格で製品を生産することで、競争力の高い製品を提供できます。例えば製造業などでは、ISOのマネジメント規格の認証取得により、不良率の低下などが期待できます。
優れた知見を活用できる
ISOの各規格には、世界の標準化組織や標準化の開発を担当する委員会の知見が凝縮されています。ISOの認証取得により、こうした世界中の高度な知識を利用した製品開発が可能となります。
新規参入が容易になる
企業が新規事業を立ち上げたり、新規市場へ参入したりする際には、生産や品質などに関わるノウハウが必要になります。ISOを認証取得することで、こうしたノウハウが取り入れられ新規参入が容易になります。
利益の向上
ISOの認証取得により、品質や互換性、安全性に優れた製品を生産でき、より付加価値の高い製品の提供を通じた利益の向上が期待できます。
コストの削減
製品の生産にかかる無駄な工程や作業などを削減できるため、リソースを有効活用できるほか、無駄なコストの削減が可能になります。
ドキュサインは複数のISOを取得
ISOの認証取得は、特に「競争力の高い製品を提供できる」といった観点から、その製品やサービスを利用するユーザーにとってもメリットがあります。また、自社および提供するサービスの価値を高める意味でも、ISOの認証取得は十分に効果的だといえるでしょう。例えば、電子署名サービスをはじめ、合意・契約・稟議プロセスの自動化を実現するソリューションを提供しているドキュサインでは、ISOの認証取得によりセキュリティ性を高め、製品の価値向上を図っています。
ドキュサインが取得しているISOは、ISO 27001: 2013、ISO 27017: 2015、ISO 27018: 2014の3種類です。特に、ISO 27018は、パブリッククラウド上の個人情報保護に特化した国際規格であり、セキュリティを向上させる上で大きな効果を発揮します。
さまざまな企業でDX(デジタルトランスフォーメーション)が推進される今、ペーパーレス化や業務効率化を目指し、電子署名サービスの導入する企業も増えています。日本でも様々な電子署名サービスがありますが、こうしたISOの認証取得も選定基準の一つにしてみてはいかがでしょうか。
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参考:
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