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デジタルコンテンツに希少価値を!最近よく聞く「NFT」とは?

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「NFT」という言葉、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。NFTとはNon-fungible tokenの頭文字を取ったもので、日本語では非代替性トークンと訳されています。本記事では、NFTの仕組みからデジタルアートや音楽といったアート分野などでの活用事例、さらに現在の課題までをわかりやすく解説します。

目次

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Twitter社のCEOであるジャック・ドーシー氏の初ツイートや、Twitterのアカウントネーム @beeple として知られているデジタルアーティストのマイク・ウィンケルマン氏のアート作品が高額落札されるなどのニュースをきっかけに、「NFT」と呼ばれる新しい技術が注目を浴びるようになりました。NFTは、同じものが存在しない一意のトークンであり、デジタルコンテンツに希少価値を付加できるとされています。本記事では、NFTの特徴から活用法、現在残されている課題まで、詳しく解説していきます。

いま話題のNFTとは

NFTとは「Non-fungible token」の頭文字を取ったもので、非代替性トークンと訳されます。NFTは同じものが存在しない一意のトークンであり、この一意であるという性質により、デジタルコンテンツに希少価値を付加できるとされ、注目を集めています。ここでいうトークンとは、ブロックチェーンに基づき作成される技術を指します。

例えば、仮想通貨もトークンの一種であり、売買での利用を想定して通貨のような価値付けが行われています。その他にも、プロジェクトの議決権といった、株式のような役割をもつガバナンストークンも存在します。NFTの場合は、同じものが存在しないという性質を持ったトークンが、デジタルコンテンツや実在するモノと紐づくことで価値付けが行われます。

NFTの何が画期的なのか?

NFTの最大の特徴は、他に同じものがなく唯一性が担保されるという点です。これにより、従来のデジタルコンテンツやオンラインでの取引が抱える課題を克服できるとして注目を集めています。

所有者が明確になる

NFTでは、所有者情報がブロックチェーン上に記録されます。ブロックチェーンは分散して同じデータを保持するため、改ざんが困難で、誰でも閲覧が可能といった特性があります。そのため、NFTの所有者を誰もが簡単に確認できます。また、ブロックチェーンの堅牢性により、所有者情報が不正に書き換えられることもありません。

複製品との区別が容易になる

NFTの場合、所有者情報がブロックチェーン上に公開されているため、出品者の情報を調べることで、NFT所有者から出品されているのかを確かめることができます。これにより、複製品との区別が容易になります。

自由に譲渡できる

通常のデジタルコンテンツの場合と同様に、NFTも自由に譲渡が可能です。NFTの譲渡は専用のプラットフォームを介して行われ、受け渡しと同時にブロックチェーン上の所有者情報が書き換えられます。

クリエイターの利益を守ることができる

NFTは設定されたルールに従って、スマートコントラクト(ブロックチェーン上の取引や、それ以外から取り込まれた情報をトリガーにして実行されるプログラム)を用いることでさまざまな機能を付加することができます。例えば、スマートコントラクトで二次流通時のマージンを指定することが可能です。

スマートコントラクトを活用すれば、NFTが転売されるたびにクリエイター側に規定のパーセントで還元される仕組みも導入できます。この仕組みにより、クリエイターに適切な報酬が分配されるようになると期待されています。

NFTの主な活用事例

NFTはすでにさまざまな分野で活用されています。ここでは、NFTの代表的な活用例を3つご紹介します。

ゲーム分野での活用

ゲーム内のキャラクターやアイテムなどを、NFT化して取引するといった活用方法があります。実際に取引を行う際は、ETH(イーサリアム*)やゲーム内通貨が用いられるのが一般的です。NFTと仮想通貨の技術を活用することで、ゲームの世界でも現実世界と同じような経済活動が可能となります。

* イーサリアムとは:イーサリアムとは分散型アプリケーションを作成できるプラットフォームの名称です。イーサリアムはブロックチェーンで構築されており、同チェーンで利用されるETH(イーサ)はビットコインに次ぐ時価総額を誇る仮想通貨として知られています。

デジタル収集品

コレクション性の高いデジタルコンテンツをNFT化するといった活用例もあります。トレーディングカードのNFTはすでにさまざまな種類が存在します。特に、有名なキャラクターや実在するスポーツ選手、アイドルのカードは続々とリリースされています。

アート関連の作品

デジタルアートや映像作品、音楽などをNFT化することもよく行われています。デジタル作品の高額落札情報が各種メディアでよく取り上げられているため、NFTといえばデジタルアートを思い浮かべる人も少なくないでしょう。最近では、デジタルのみでなく、実在するアート作品と紐づける取り組みもあります。

NFTは誰でも簡単に売買可能

NFTは、簡単に作成から売買までを行うことができます。NFTの売買に必要なものは、NFTを購入するための仮想通貨と、仮想通貨を保管するためのウォレットの2つです。これら2つが準備できれば、あとはNFTマーケットプレイスで欲しいNFTを探して購入手続きを行うだけです。購入したNFTはNFTマーケットプレイスに出品して売却することもできます。

このように、決済手段が仮想通貨であり、NFTを保管するための仮想通貨(暗号資産)のウォレットが必要であること以外は通常のネットショッピングと大差はありません。また、最近ではクレジットカードで決済可能なマーケットプレイスも登場しており、仮想通貨の購入さえ不要な場合もあります。NFTの作成に関しても、NFTにしたいコンテンツをマーケットプレイス上にアップロードすればNFT化でき、そのまま出品することも可能です。

NFTに残される課題

NFTは最近になって活用され始めた技術ですが、課題も残されています。例えば、以下のような課題があると言われています。

  • コンテンツの複製を完全に防げるわけではない

NFTは誰が所有しているのかを明確にできますが、コンテンツの複製自体は防げません。そのため、NFTが普及したとしても、模造品の問題は完全には解決されないでしょう。

  • 電力の大量消費や、環境への影響が懸念されている

多くのNFTはイーサリアムチェーン上に作成されます。同チェーンでは、コンセンサスアルゴリズムとしてProof-of-Work(PoW)を採用しています。PoWでは、トランザクションの承認作業(マイニング)でマイナーに対し大量の計算を課し、最初に計算を終えた人に報酬を与えるルールが設定されています。したがって、マイニングで報酬を獲得するためには、たくさんの高スペックコンピューターを稼働させる必要があり、大きな電力を消費することになります。NFTの作成、売買においても、トランザクションの承認が行われるため、同様に大きな電力消費を伴い、環境への影響が懸念されています。なお、最近では環境への負荷が小さいProof-of-Stake(PoS)を採用するブロックチェーンも登場しています。また、イーサリアムに関しても、PoSへの移行を進めており、2022年頃に完了する見込みとされています。

  • 模倣品のNFTが出品される可能性がある

アート作品の贋作がNFTとして出品される可能性もあります。NFTはあくまで所有者の情報を明確にするだけであり、NFT自体の真贋判定は行えません。したがって、プラットフォーム側でクリエイター本人の作品なのかを確認するといった、オフィシャルに出品された作品なのかが分かる仕組みを導入する対策が必要になってくるでしょう。

NFTの普及で世界はどう変わるのか?

NFTが普及し真正性が確保できるようになれば、デジタルコンテンツを販売するクリエイターと購入希望者が、安心してオンライン上で取引できる環境が構築できると考えられます。クリエイター側からすると、NFTの技術によりコピー品と明確に区別されることで、自身の作品が資産性のあるコンテンツとしてみなされ、適切な価格で販売できるようになります。一方、購入者からすると、唯一性や希少性が担保されているため、値割れのリスクが軽減されます。

NFTは汎用性の高い技術であるため、さまざまな分野に活用される可能性を秘めています。例えば、印鑑とNFTを組み合わせた電子印鑑システムの構築が考えられているなど、今後、新たな活用方法がさらに登場するかもしれません。

おすすめ記事:デジタル庁が推進。いま注目の「Web3.0」とは?

参考:

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