Docusign CLMの特長と仕組み
契約ライフサイクル管理(CLM)とは、契約書の作成から継続的な管理、やがて訪れる契約の更新や終了までを包括的に管理するソリューションのことです。本記事では、ガートナー・マジック・クアドラント CLM分野のリーダーにも選出されている「Docusign CLM」の特長と仕組みを紹介します。
契約ライフサイクル管理(CLM:Contract Lifecycle Management)とは、契約書の作成から継続的な管理、やがて訪れる契約の更新や終了までを包括的に管理すること、またはそのソリューションを意味し、「契約ライフサイクルマネジメント」と呼ばれることもあります。CLM は、紙やペンを使用していた時代から大きな進化を遂げており、契約管理が複雑化の一途をたどるにつれ、CRM (顧客関係管理)や ERP (企業資源計画)といった他のシステムと同じく、ビジネスにとって必要不可欠なものになってきています。
本記事では、 Docusign CLM の仕組みとともに、以下 5つの主要な領域にて CLM がどのような力を発揮するのかを解説していきます。
文書作成
どのような契約プロセスでも、最初のステップとして「文書の作成」があります。製品の SKU(在庫管理の際の最小管理単位)から契約書に含める必要のある法的条項まで、すべての情報を探し出す作業は、この文書作成のステップを複雑化し、多くの企業が直面する課題のひとつになっています。
Docusign CLM は、多彩な機能を使って、案件ごとの状況に合わせた洗練されたカスタム契約書を作成します。また、契約書の作成に必要な下準備の多くを自動化することで、文書作成を大幅にスピードアップするとともに、エラーを軽減します。
「文書作成」における Docusign CLM の主な特長
カスタマイズ可能なテンプレート:ガイド付き契約書生成のファーストステップとして、使用頻度の高い契約タイプの契約書テンプレートを作成・使用できます。
マージフィールド(カスタムフィールド):CRM、ERP など他のシステムのデータをテンプレートに自動入力し、誤入力などの人為ミスを軽減します。
オンラインフォーム:契約に関する情報(例えば、適用される州法や支払い条件など)をビジネスユーザーから取得し、それに対応する条項の文言を自動で入力します。必要に応じて、追加レビューのトリガーにすることもできます。
Salesforce 上でワンクリックで文書作成:Salesforce から直接、商談データを自動入力して、カスタム契約書を作成できます。
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交渉とコラボレーション
契約書は、初稿を作成した後に社内での承認や社外のレビューを経て、ようやく最終版が完成します。ドキュサインが行った調査では、最終版が完成するまでの交渉およびコラボレーションは、契約ライフサイクルの他のどのステップよりも時間がかかっていることが明らかになっています。
Docusign CLM は交渉やコラボレーションをデジタル化し、契約書のレビュー依頼や、複数バージョン間の変更箇所の追跡、また誰がいつ何をしたかといった記録の一元管理を可能にします。法務部門は追加ツールを使って交渉に必要な枠組みを設定することができ、これにより、(複雑な契約ではない限り)営業などのフロントオフィス部門は法務部門に1件1件確認することなく、契約プロセスを進められます。
「交渉・コラボレーション」における Docusign CLM の主な特長
コメントとタスク:契約書レビュー時のコラボレーションをスピードアップし、合意形成と承認の迅速化を支援します。
バージョン比較:契約書のバージョンごとの変更点を可視化し、複数バージョン間で誰がいつ何をしたかを明確に把握できるようにします。
交渉(レビュー依頼): 社内での承認が完了したら、Docusign CLM から外部の関係者にレビュー用の契約書を自動送信し、レビュープロセスを加速します。
条項ライブラリ:事前に承認された条項を一箇所に集約し、法律を専門としないユーザーが契約書を作成する、または交渉する際に利用できるようにします。
Docusign CLM for Slack:関係者にタスクの実行や編集の承認、変更を求める際、 Slack 内で直接通知することができます。既に使用しているプラットフォーム上で効率的なコラボレーションを促進し、契約プロセスを遅滞なく進められます。
AI リスクスコアリング:外部で作成された契約書から主要な用語を自動抽出し、企業ポリシーに基づいたリスクスコアカードを生成して、契約締結前の修正を可能にします(日本語未対応)。
ワークフローと署名・捺印
ワークフローは、「契約」がたどるべき一連のプロセスを定めたものです。例えば、 X という事象が起きたら Y を行う、といった具合です。署名・捺印はその中のひとつのステップですが、その前後には、承認の取得、関係者への通知、支払い手続き、サービスの提供、文書の保管など数多くのステップがあります。
ワークフローは最新の CLM ソリューションの中核要素であり、Docusign CLM はお客様が必要とするワークフローを簡単に構築できるよう支援します。ユーザーは、あらかじめ組み込まれている設定を利用したり、ドキュサインが提供する高度なワークフロービルダーを使用して設定をカスタマイズすることで、どんなに複雑なプロセスでも完全に自動化することが可能です。
「ワークフロー・署名」における Docusign CLM の主な特長
カスタム契約ワークフロー:レビュー、署名・捺印、納品、支払い、契約上の義務の管理など、契約がたどるプロセスの道筋を定義し、自動化します。
ドラッグ&ドロップで利用可能なワークフロー・エディター:IT エンジニアではない管理者でも、事前に構築された何百ものアクションに基づいて、自動化されたワークフローを設計・展開できます。
eSignature (ドキュサインの電子署名):世界中で使われている電子署名ソリューションとのネイティブな連携により、 Docusign CLM 上で電子署名を利用できます。
レスポンシブ署名:受信者のデバイスに合わせた最適なフォーマットで文書が表示され、快適な閲覧・署名体験を提供できます。
AI ベースのワークフロー:AI(人工知能)を介して抽出されたリスクレベルと契約言語に基づき、契約書を条件付きルーティングで回すことで、スマートなワークフローを実現します(日本語未対応)。
検索、分析、レポート
事業規模が拡大し、契約や関係者の数が増えるにつれて、契約を秩序だった形で管理することはますます難しくなっていきます。権限とアクセス性を管理する中央リポジトリがなければ、契約書の内容や状況を適切に追跡できず、詳細な分析やレポート作成に苦労するかもしれません。また、物理的な書類棚や保管庫、一般的なデジタルリポジトリ、その他のソリューションでは、機密性の高い契約書ならではの要件を満たさないこともあります。
Docusign CLM なら、専用に構築された検索可能な単一の場所に契約書を保存し、タグ付けや整理も可能です。これにより、既存の契約書をすばやく見つけ、状況を確認し、さらにリスクの低減やビジネスの成長につながる優れた洞察を容易に得ることができます。
「検索・分析・レポート」における Docusign CLM の主な特長
一元化され、検索可能な契約書リポジトリ:契約書を一箇所で管理し、詳細な権限コントロールによってアクセスを厳密に制御します。
契約および関係者に対する360度の可視性:進行中、または締結済みのすべての契約をフィルタリングして表示することができます。
義務の管理:レポートおよび可視化ツールにより、顧客に対する契約上の約束事やベンダーの義務を追跡・管理します。
カスタムレポート:カスタムレポートは、契約に関するアクティビティの概要や傾向などの情報を提供します。
自動アラートとリマインダー:ユーザーが更新を忘れないよう自動でリマインダーを送ったり、作業待ちリストに優先順位をつけることができます。
AI による用語抽出:更新日、準拠法、支払条件などの重要な情報を含む文書に自動的にタグ付けし、検索しやすくします(日本語未対応)。
AI によるインサイト:AI を利用して既存の契約書を分析し、そこに含まれる機会やリスクを自動的に特定します(日本語未対応)。
連携と管理
組織のニーズを充分に満たすために、 CLM は適切に設定し、管理する必要があります。契約には複数の事業部門やビジネスプロセスが横断的に関わるため、 CLM は CRM (顧客関係管理)、 ERP (企業資源計画)、 HCM (人的資本管理)などの基幹システムと密接に連携していることが望まれます。連携と管理を適切に行えるかどうかによって、ビジネスの成否が左右されると言っても過言ではないでしょう。
Docusign CLM は、管理者がプラットフォーム全体を管理するために必要な、堅牢なツールを提供します。管理者はコードを書くことなく、クリックで作業を行えます。また、多くの企業で採用されている各種システムとの連携があらかじめ構築されているので、最初の段階で適切に設定することができ、作業を効率化します。Docusign CLM をフルカスタマイズして、自社で構築したシステムやあまり一般的ではないシステムやプロセスと連携させることも可能です。
「連携・管理」における Docusign CLM の主な特長
Salesforce 連携:Salesforce Sales Cloud および CPQ 内で、直接 Docusign CLM の機能にアクセスし、アクションを起こすことができます。
SAP Ariba 連携:Docusign CLM と SAP Ariba の Contract Workspace (契約ワークスペース)を連携することで、契約やプロジェクトのメタデータ(開始日、終了日、サプライヤー IDなど)が CLM と Ariba 間で自動更新されます。
Coupa 連携:Docusign CLM と Coupa のアカウントを接続すれば、システム間でデータや契約を自動で共有し、よりスムーズな調達プロセスを実現することができます。
NetSuite Financials および Workday ファイナンシャル マネジメント連携:Docusign CLM を既に使用している ERP ソリューションと接続し、一般的な調達活動を自動化します。
堅牢な API:カスタム開発により、固有のシステムやワークフローを Docusign CLM と連携させることが可能です。
言語対応:Docusign CLM は、英語、日本語、フランス語、ドイツ語、オランダ語、スペイン語、ポルトガル語に対応しています。
高度な管理:ユーザー権限、アカウント設定、連携、自動化の詳細、文書属性などの管理が可能です。
お役立ち資料
Docusign CLM は、「実行能力」および「ビジョンの完全性」が評価され、4年連続でガートナー・マジック・クアドラント 契約ライフサイクル管理(CLM)分野のリーダーに選出されています。
製品に関する詳細は製品ページをご覧いただくか、弊社営業担当までお電話(03-4588-5476)またはメールにてお問い合わせください。また、以下 Docusign CLM に関するさまざまな資料をご用意していますので、あわせてご活用ください。
※本記事は「How Does Docusign CLM Work?」の抄訳で、日本向けに一部加筆修正しています。
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