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不動産業界における宅地建物取引業法改正のポイント①

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不動産業界で急速に広がるデジタルトランスフォーメーション(DX)。今回は「不動産業界における宅地建物取引業法改正のポイント」と題し、「IT重説」および「重要事項説明書等の電子化」について解説します。

    • IT重説
    • 重要事項説明書等の電子化(電子書面交付)

目次

The exterior wall of a modern apartment.

先日公開したブログ記事『IT重説とは?知っておくべき不動産業界の最新DXトレンド』にて、IT重説の基本や不動産業界でDXを推進するポイントについて紹介しましたが、本記事では「IT重説」および「重要事項説明書等の電子化」にポイントを絞り解説します。

IT重説

2021年4月より売買取引に係るIT重説の本格運用が開始され、現在、重要事項説明は賃貸借契約・売買契約においてテレビ会議システムやテレビ電話を使い、オンラインで実施することが可能です。

IT重説 最新の社会実験の取組状況

出典:国土交通省 宅建業法にかかるITを活用した重要事項説明等に関する取組み -(1)最新の社会実験の取組状況

ここでのポイントは、

  1. IT重説を行うことは可能だが事前に同意書を作成し相手方の同意を得ること

  2. 重要事項説明書(宅建士の記名・押印されたもの)を2部事前に送付すること。ただし、電磁的方法(メールなど)での送付は不可

  3. 相手方は重要事項説明終了後に内容を確認して記名・押印すること

ということです。

つまり、重要事項説明をテレビ会議システム等で実施したとしても、「紙」の書面に「記名・押印」する必要があります。

重要事項説明書の事前送付の流れ

出典:国土交通省 ITを活用した重要事項説明実施マニュアル(令和3年3月)ページ9

重要事項説明書等の電子化(電子書面交付)

では、重要事項説明書等の電子化(電子書面交付)に関する社会実験では何か変わるのでしょうか?国土交通省の「重要事項説明書等の電磁的方法による交付に係る社会実験」を参照し、以下3つのポイントにまとめました。

  1. 署名済み(電子署名等を利用)重要事項説明書等の文書の電子書面交付が可能

  2. 電子書面交付によるIT重説実施

  3. ただし、IT重説完了後に宅建士が記名・押印した重要事項説明書を紙で交付が必要

えっ?紙の書面の交付が必要なの?

お気付きになりましたか。現行の社会実験ですと、結局「紙」で交付する必要があるので今までとそれほど変わらないのです。

電子メール等の送信により交付する方法 - 国土交通省

出典:国土交通省 重要事項説明書等の電磁的方法による交付に係る社会実験のためのガイドライン概要 ページ3

しかし、今年4月6日に衆議院を通過した「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律案」が可決されると、ようやく重要事項説明書についても「紙」での交付が不要になります。次回は、本法案の中から宅地建物取引業法について解説します。

不動産業界における宅地建物取引業法改正のポイント②を読む →

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